先例
たまにはメシでも、なんてのは。それも町中華ならぬ上等な鮨屋とあらば。メシ代ごときでごまかされてはかなわぬ。割り勘以上の会費を懐にしのばせ。
次回こそ必ず、と聞くこと三たび、未だ勝ちなしも見捨てられぬは人柄か。比例と申しても身分は同じ、それも与党の一員とあらば何かと。そう、肝心の話の内容や選対の責任者に、と。御指名いただくは光栄なれど、んな重責を担うに憚られ、固辞まではせぬにせよ、と提示する条件や二つ。
一つ目や他に適任者がおらぬか。そもそもにそこは過去ずっとベテラン県議の指定席であってまずはそちらに。のみならず他に県議、市議、いや、それ以外にも意欲を燃やす御仁がいないとも限らず。こちらはあくまでも「保険」で結構、最後まで見捨てぬゆえ、各方面に打診の上、不在とあらば。二つ目、仮にそうなったとしても私がその役職におさまることの損得、支援者の皆様の反応をよく見極めた上で。
見捨てておけぬはそこのみにあらず。今年も禅寺丸柿まつりの案内をいただき。柿が生まれると書いて「柿生」、駅名に見る柿へのこだわり。ゴルフのクラブとて今や金属なれど当時は木製、パーシモンだった訳で。
村を分断するは線路、駅のすぐ脇に踏切ありて朝などは。南北いづれにも改札を有するのがせめてもの救い。踏切の除去には線路の地下化もしくは高架化、いわゆる連続立体交差事業が理想と知るも。開かずの踏切に悩むはそこのみにあらず。向ヶ丘遊園駅などは線路を横断する地下通路を市が整備しており。
地下掘るに工事費は安からず。頭上に歩道橋はどうか。今やバリアフリーの時代にあってエレベーターは必須とされ。いや、そもそもに駅近辺を見渡すに土地の余剰なく。ならば橋上駅舎化、つまりは改札を上階に置くことで駅舎の一部をそのまま自由通路に。あれこそ鉄道会社の英断に見えがちなれど、費用負担や市が九割。
目的が開かずの踏切と片側改札の不便性を解消することにある以上は市が負担して然るべき、というのがその理由とされ。JR南武線の一部の駅では整備が進むも順番を待ちわびとる中にあって、こちらを優先すべし、なんてのは新たな火種になりかねず。
いや、何も掘るだ積むだ、安からぬ事業費を投ぜずとも。既存の駅構内をそのまま拝借できれば。せめて登下校時の小学生だけでも。それとて既存の収益が減るものにあらず、むしろ立派な地元貢献として企業が評価されること請け合い。今やタッチ認証でコインロッカーが利用できる時代にあって、そこに細工を施すこと位は。いや、そんな手間をかけずともトイレ利用が如く駅長の独断にて大目に見てあげれば。
立ちはだかるは安全性の壁。万が一、構内にて転倒または事故などに巻き込まれた際に問われかねぬ責任。それ以上に、そこに先例を作るに広がる波紋。踏切待ちに時間を浪費するは通学時の子供たちのみならず、大人とて通過を認めよ。いや、そこの駅で認められるならば隣の駅でも同様に認めるべきではあるまいか云々と。つまりは蟻の一穴になりかねず。やはりそのへんが。
(令和6年10月10日/2882回)