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2024年9月15日 (日)

前文

公務多忙の中、との紹介まさに。後のことは彼に託すゆえ、とは全幅の信頼の証。退席の市長にバトン渡され、万雷の拍手に登壇するはその人。

配下の職員たちは深夜に近き残業の日々、との挨拶に私なんぞは、それほどまでの意気込みあらば成功は確定的、と受け止めど、隣りの関係者に言わせれば、何をこの期に及んで、と。日本語って難しいなナ。開催迫る緑化フェア。そこを意図してか否か、音大の定期演奏会の演目も。

ミュージカル「みどりの天使」は限定二日間、昼夜四公演のみ。不思議な力を持つ少年チト。触るものみな緑に変えて。刑務所やスラム街だって緑あふれれば人の心も。これぞまさに、と余韻に浸る休憩中に背後からの声。居合わせるはその人、室長にて。来賓席におらぬとすると自発的か。この公演にまで足を運ぶとはさすが。自らを主人公に重ね合わせて本市を緑で埋め尽くさん、なんて。あくまでも「物語」にて現実は容易ならず。

そう、いつも彼らの真剣な演技、演奏に心揺さぶられる中にあって胸に去来するは卒後の進路。アルバイトをしながら劇団員を目指す、自ら夢をかなえんと挑戦は結構なれど、そこでメシ食えるプロはほんのわずか、とすると仮に一般企業への就職を望むに就職先は見つかるのだろうか。採用側とて音大卒と聞くに。大学の偏差値と入社後の仕事ぶりに因果なく。むしろ、一般教養を備えた上に特技を有すると見れば。まさに音大生は企業にとって「買い」の人材。

代表質問を終えた。前文こそは全体の「顔」というべきものにて格調高く、と教わり。他会派の前文を耳立てて聞かば。市制百年の式典に演奏されるは名曲「ボレロ」。作曲や音の魔術師モーリス・ラヴェル。旋律の反復はその曲に限らぬも高まる高揚感が絶頂に達するは百年の節目。が、しばし後の転調に迎えし終焉が意味するは暗雲か希望か。曲を市制になぞらえての解釈や悪からぬ感性、前文であり。

さて、本題。その為の会社まで設立するに覚悟のほどが窺い知れて。普及図らんと計上される予算額や二億円。チラシには「底が尽き次第、終了」との一文あれど。開始から二ヶ月にして打ち切りは解せぬ、とMさん。先着何名と列を待つこと数時間、自らの前で線をひかれるようなもの。ならば先頭から数えておぬしが最後。以降は運次第と可能性を示唆する配慮があっても。

住宅用太陽光発電設備の補助金申請のメニューや三つ。「パネル」「蓄電池」「ZEH」にてMさんが選択するは三番目。ZEHとはゼロエネルギーハウスの略。給湯器に断熱サッシ諸々、家全体をその仕様にすげ替える最終形にて最も普及が図られるべきものなれど、計算を伴うものだけに要するは時間。ちゃんと申請の開始前から市との相談を重ねてきたというに。

突然の宣告はまさに青天の霹靂であって、補助金なくば当初から選択はせぬ。この期に及んで白紙撤回と申しても再設計に重くのしかかる時間とお金。当初の見積の甘さは言わずもがななれど、枯渇の要因や蓄電池への殺到とか。そもそもに単品と受注生産の完成品を同列に扱わば結果は明らか。正直者がバカを見る世の中であってはならぬ、と。

(令和6年9月15日/2877回)

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