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2023年11月 6日 (月)

恩赦

鉄人の427kmには遠く及ばぬまでも306.5kmにてオクトバーランを終えた。距離以上によくもそんな時間があったもので。やはりヒマなのかね、なんて。

当日の移動手段なく、送迎を、と頼まれるに二つ返事で快諾してみたものの、当人には私ならぬ贔屓の市議がおられたはずで。いや、そちらに打診すれど、あしらわれてしまったとか。これぞ好機などと寝返りを期待するもんでもないけれど、あしらいし当事者にとってそれに勝る行事など。

四年ぶりの開催は地元消防団の操法大会。到着後に案内される来賓席に開会式後も居座るはやぶさかならぬも長居は長居で、やはり「居た」という事実こそ。去るにせよ肝心な「間」。早すぎず遅すぎず、それでいて自然な形で。席立つに適当な理由。整形外科の予約、はさすがに。次の予定が、なんてのも。楽屋裏に控えし選手たちの慰労に、と。

さて、どこぞの校長が記した一文に広がる波紋。この夏の甲子園に話題をさらいしあの学校。監督の采配や選手の能力以上に注目を集めるは。坊主こそ球児の証といわれたのも今は昔。同調圧力に屈せずに、生徒の自主性に委ね、長髪とて十分に通じることを証明してみせた監督の手腕は評価されて然るべきも。

その一例を以て丸坊主は時代錯誤と言わんばかりの論調に寄せられる保護者の声。そりゃ多様な価値観、と新たに認めるは勝手なれど、何も「これまで」を否定せずとも。むしろ、それこそが価値観の押し売りにあるまいか、とのことらしく。

そう、創立百五十年の伝統校にあって厚遇を受けるはその部活。当時から取材を理由に授業を欠席することしばしばなれど、恩赦が与えられたとか。気になるは在籍の動機や卒業後の進路。そこに籍を置くに普段は会えぬ人に会えたり、取材を通じて校内事情を掴めたり、と純粋な好奇心に負うところが大きいらしく。

子らが通うはそんな妻の母校にて。深夜の帰宅にこれ見よがしに置かれる最新号に見る昨今の事情。一面の見出し「人間にしかない感情を大切に」と目を惹く一文は宇宙開発の分野にて活躍を見せる卒業生のインタビュー記事。

頁をめくるに、ジャージ登下校の是非を巡る論考あり。あくまでも「制服」が原則とされる中にあって押し寄せる自由化の波に生徒の生徒の反応やいかに。気になるアンケートの結果。賛成派7割、の見出しの語尾に逆接の接続詞「だが」が付され。

自由と規律を巡る終わりなき議論にあっても牽制というか、両者に冷静な判断を促す為の工夫が凝らされており。下手な大人よりもよほど高校生のほうが。

(令和5年11月6日/2815回)

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