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2023年2月20日 (月)

駅前

欠かせぬ同伴、ランと違って見知らぬ御仁と回れるほどの腕前は持ち合わせておらず。いつも誘いを待ちわびとる身。いや、確かに次回は誘ってくれ、とは申したものの、さすがに四年に一度、とあらば「多忙」と察するが人の心理にあるまいか。いやいや、露出多くばそれだけ票に、宣伝に絶好の機会との親切心やもしれぬ、いや、そうに違いない。ならば、いっそ優勝を狙って、アホか。

都心のベッドタウンとして栄えた駅前のスーパーも時代の波には抗えず。まさに一丁目一番地の地番が物語る歴史に幕。かたや隣駅にあっては新たな大型店の進出に日常を脅かされかねぬ、との陳情が市議会に寄せられ。そんな両駅よりも遥かに古い歴史を有するのがこちら。

駅前と申しても狭き旧道に面した商店街を往来するは人のみならず、未だ下水道の未整備地区とあらばあの車とて。こんな劣悪な状況を一刻も早く改善すべき、と浮上する再開発に高まる地元の期待。何と申しても「駅前」なる一等地にあって高層階の土地利用を図らば、地権者より、利用者よし、業者よしの三方よし、と。

立ち退き求めるに新たな店舗を約束すると申しても、それはあくまでも完成後の話。その後の補償をいかんとする。店子のみならず、更にはまたその借受人がいたりもして。地権者間とて足して割るに生ずる損得。高層住宅の分譲に事業費を捻出すると申しても本当にモノが売れるか。社会情勢に大きく左右される中にあって、命運を賽の目に委ねるよりも今のままで、と思ったとしても。

このままでは衰退の一途、何とかせねば、との危機感に関係者の説得に奔走を見せる世話人。協議にこそ応じれど、いざ「印鑑」を迫られるに。土地、それも親から譲り受けた遺産とあらば。とすると、まずは地権者間の合意を得てから、となるべきも市が傍観しておられぬ理由や一本の道。旧道の代替とばかりに計画されし都市計画道路。既に重点地区に指定され、用地買収の交渉に臨めど見えぬ成果。

仮に駅前に立派な建物が完成しても周辺の道路事情が改善されねばまちの活性化など。他方、駅前の開発が不透明な中にあって道路だけ広がるは意味を為さぬ。何も協力せぬ訳ではない、ただ機を熟すを待つと。んな状況に、道と再開発は一緒、再開発が具現化されぬ以上は、じっと静観を続けてきた市。建物が先か、道路が先か。そもそもに半世紀以上も前に都市計画として「決定」しとるのだから道こそ先。

当時などは金銭の工面もないままに他人様の土地に勝手に線を引いて利用を制限するなんぞ。買収に本腰を入れんとするも、何を今さらとの不信感は拭えぬばかりか、示される買収額とてそれを前提にしておらず。以後、再開発が「確定」すれば土地の評価額が上がるばかりか、ともすれば居住棟の一部でも、何も急かずとも、なんて。

当時のツケは軽からず。複雑な方程式の解やいかに。

(令和5年2月20日/2765回)

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