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2022年6月20日 (月)

目安

平坦な道とあらば距離でバテること知らず、欠かせぬ急坂。とは自惚れが過ぎた。

「払って」までレースに出場する奴の気がしれぬとの声。これ以上は身体が動かぬ、と泣き言を申してみても峠を越えねばゴールには辿り着かぬ訳で。不思議と思考も前向きになるもの。どんな逆境とて立ち止まっていては。

視察などと称して出かけんとするに見学は休止中との文字。が、本命や別にあり、車では肝心の目的が果たせぬ。最寄りの無人駅から片道6キロの往復。眼前にそびえる急斜面を前に注がれし珠玉の一杯が抜群に美味かった。

保護という名の隔離の時代、弱者切り捨ての代償と与えられる「施し」は当人の為ならず。日々の生活の糧を得るべく自ら開墾するは山の急斜面。何も「急」にあらずとも。大地に這いつくばる、その過酷な労働が身体を鍛える、というか、ひたむきさが情緒を安定させるに一役買うとか。

そんな汗と涙が紡ぐ一杯。知的障害者が作ろうとプロが作ろうと購う消費者には関係ない、と品質に妥協許さぬ創設者。その生涯と学園の歴史を描いた一冊を片手に。施設の見学はかなわずと道すがらすれ違う園生や職員の表情を見れば。

テラスにて手渡されるワインリストに目を惹くはそちら。「協奏曲」か「第二楽章」か。第二楽章といえばベートーヴェンの交響曲第3番、「英雄」と名のついた同曲の第二楽章はあまりにも有名なれど、今日の主役はブルックナーの交響曲第8番。

目下、国産ワインの物色に余念なく、遠征時には必ず御当地の一本を。その道中に車窓から見える遠方の山々、雄大な自然とその第二楽章が絶妙にて。大自然に同じ、大衆に媚びぬ姿勢が真骨頂。自ら手にした指揮棒に集いし客は数百名も最後に残るは25名。

落胆の当人に慰めの言葉を向けるは若き日のグスタフ・マーラー。が、んな挫折もなんのその。晩年には自らの確固たる地位を築き上げ、今も熱狂的なファンを魅了してやまず。いつぞやにホールで会いしK局長などはこの作曲家の演目だけ、と申しておられ。

その評価が不当か否か、を巡る応酬は今に始まったものになく、恣意が介入する余地がある以上、終わりなき論争にて。有権者に判断材料を、との趣旨に公開される通信簿。質問の回数に時間等々、目に見える指標の採点結果とあらば私などは泡沫。「解せぬ」と目くじらを立てて見ても肝心なのは選挙であって、その結果や通信簿と相反すること往々。

そう、最近も似た話を見かけたが、店の命運を左右するはわが胸先三寸とばかりに袖下を要求する調査員がいないとも限らず。かたや、そこに一喜一憂するよりもあくまでも「目安」に過ぎぬ、と今日の客にいかに喜んでいただくか、そちらに腐心したほうが好結果になりそうな気がしないでもなく。客とて自らの味覚を信じて。

いや、注目を集めることがかえって両者の利益に繋がっていたりもして。ちなみに同サイトにおける前述のカフェの評価や。

(令和4年6月20日/2717回)

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