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2019年2月 5日 (火)

天賞

事務所宛に一枚の葉書が届いた。差出人は区内在住の方なれど名に覚えなく、はて。達筆で記された内容読めば新年俳句大会において天賞、つまりは選句五句のうち最上の句に選んで貰った御礼とのこと。何とも律義でマメな方ではないか。

これも縁とばかりに自ら押売りに伺えばちょうど御主人が日曜大工の最中にて事情話せば温かく迎えて下さった。エラい人に選んでもらったおかげですと笑顔こぼす奥様、聞けば天賞の「最多」得票だったそうで、こりゃ選挙前に私も縁起がいい、いや、それ以上に私の選句眼も隅に置けぬと悦に入りつつ御自宅を後に。

御礼というか活動資金の足しにと手渡される現金。あくまでも相手の善意にて二人だけの秘密だからそっと着服しても分からんのだけれどもどうせロクな支出にならん訳で子供の年玉が如くそのまま後援会の会計に預けてしまい、出納は全てそちらに任せて残高知らず。不足の際は負担厭わぬと太っ腹を装ってみるも未だ打診なくひょっとすると随分と貯まって...。

そう、実はここだけの話、駐車場の一角に取り付けた後援会の看板の留め金が外れて車を破損させたとか。翌日に菓子折ぶら下げて現地を訪ねれば不運にも外車にてかくなる上は後援会のほうで...ダメか。金銭失うも健康さえあれば裸一貫再起図れるもそれが叶わぬ心境いかばかりか。

初陣以来の一途な支援者Tさんは不器用なれど律儀で人懐っこい人柄に親交少なくなく。大病患われて九死に一生を得たものの、残る後遺症。回復せんと不屈の闘志にて復帰果たすも完治には到らず入退院の日々。昨年末に近況尋ねれば入院中も元気な声にて再会を約束して受話器を置いた。

虫の知らせか、縁とは不思議なものでそこで寄り道せねば会うこともなかった訳で。手すり伝いに歩いて来る様子は見るに堪えず、絶望の淵に立たされたが如く思い悩む陰鬱な表情に声をかけるべきか否か、というよりも声をかけていいものか逡巡せど口が先に動いた。満身創痍の闘病生活も打つ手限られ、月内に「大」手術が予定されているそうで成功率は五割に到らぬとか。で、身辺整理の上、関係者に挨拶をとの医師の宣告に思い詰めて。

相手とて困難と知らば開腹などせぬ訳でやはりそこに見込みがあるから。勝算見込めても悲観的に伝えるのがセンセイの世界。それがドブ板ならぬ生死に関わるとあっては余計に慎重な言い回しに終始せざるを得ない事情は知りつつも術後とて大幅に回復見込めぬだけに言葉に難しく。再会の固い握手を交わし別れたものの、夜に着信があった。

手術前に会うべきか会わざるべきか、悩みはそこにある訳で霧を払った本人の決断に半日限りの運転手役を請け負った。前日は普段着なれど迎えた当日は正装。鳥の将に死なんとする其の鳴くや哀し、人の将に死なんとす其の言や善し、死を覚悟した人物の言葉は重く、涙ぐむことしばしば。緊張ほどけた車中で心落ち着けつつ、最後に向かう挨拶先は仲人親のおらがセンセイ。

あいにくの御不在も玄関の早咲きの梅の花、宿る生命にそんなに簡単に死ねぬものと御子息が声をかける。生きて再び会いに来なくては、まだやり残したことがあると笑顔で別れた。

(平成31年2月5日/2480回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

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