なおログ[Blog]

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2019年1月

2019年1月30日 (水)

鶴見

「重箱を棚に納めて女正月」とはY子さんの句。正月に追われた女性たちが休めるのがこの頃だそうで十五日をそう呼ぶ。十五日といえば成人式。今や国民の休日なんたらで日が動くからその日に限らんのだけれども式を終えて夜に繰り出す彼女たちを「夜に晴れ着捨つとも目立つ新成人」と詠んだ。

恒例の新年俳句大会に向けて作品集が届く。五句選句の上、天賞を添えて当日持参とのこと。寄せられる投句多くも空席目立つは年には勝てぬ健康上の理由か。私などは図抜けて若く親子以上に年齢離れた面々。「屠蘇祝ふ齢一つを賜はりぬ」に老境の域ともならば齢は「賜はる」ものと気付かされるし、「意を決し傘寿に五年日記買ふ」、「恋歌留多拾ひて八十路の坂越えん」との句を見れば並々ならぬ「性」いや「生」への執念というか渇望が窺い知れて。

負けておれんと奮起した訳でもないのだけれども二年越しの悲願達成すべく、目下、箱根往路に挑戦中。天下の険を含むおよそ百キロの過程は知る人ぞ知る長距離の練習コースだそうで鉄人などは一日で成し遂げるも私などはようやく鶴見中継所に到着。そう、まだ一日しか走っていない。無償どころか(金銭を)貰っても絶対にヤダ、正気の沙汰ではないの声など聞こえぬ、参加費一万七千円を「払って」挑む百キロの枠は三千五百五十名にてバカの数はいかほどか。

それが登竜門というか聖地と呼ばれるサロマ湖100kmウルトラマラソン。申込開始は夜八時。「まぁ一日位は...」と翌朝に後悔したのが一昨年。で、前年の反省を踏まえて早めの帰宅、夜の十時に向き合えば既に〆切、が去年。何も帰らずとも便利なスマホがある訳で酒席とて途中退席すれば...運悪くクラシックの定期演奏会に重なった。演目はリムスキー・コルサコフの名曲「シェエラザード」も涙を飲んで。

五分前にログイン済ませ、時報とともに登録ボタンを押さば混雑表示の画面。開始時に混み合うは当然。画面中の三十秒タイマーが動いている間はそのまま待てとの指示に経過すること三十分。つまりは六十回の更新も依然として登録画面現れず。スマホ以外を持ち合わせておらんから何も出来ず画面を見続けること約一時間。募る苛立ちに登録さえ終われば前祝でワインでも...なんて愉しみが脳裏をかすめたのが甘かった。ようやく画面が表示されたと思いきや「エントリー終了」の字幕。

ワインどころかヤケ酒だよヤケ酒、いや冗談、落胆のまま帰路に。それも昨年、一昨年のように不作為の結果であればやむなしも万難を排して、確かにそこにほんの数秒の狂いはあったかもしれんけど。往生際が悪いとはまさにこのことで頭をよぎるはそのことばかり。が、悔いてやむなく、新たな挑戦求めるもそれに匹敵する大会なんぞは...あった。

雄大な自然広がるも国内屈指の過酷な百キロ。その道の師と仰ぐ鉄人含む挑戦者がことごとく成し遂げられなかった完走。いわゆる「野辺山」への登録を終えた。何よりもそんな目標なくば不摂生な日々が続くだけに四月本チャンを迎える上で格好の目標ではないかなどと全て独善的に解釈して。花の二区を走る機会を狙っている。

(平成31年1月30日/2479回)

電子書籍「一日一話」

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2019年1月25日 (金)

電柱

「読書」に忙殺されている。などと言わば随分と時間の余裕があるんだナと思われるかもしれんけど、「読書」と申しても「書物を読む」ならず、「読んで」「書いて」と。「読む」は趣味、分野問わずあれもこれもと欲のままに溜め込んだものの、移動途中位では追いつかず。「書く」も本稿のみならず、舞い込む依頼に凡夫の非礼を詫びつつ、拙い文章を添えて御返事申し上げた。

少し前にどこぞの信号機が薄型になっていて、そこだけがいち早く更新図られる背景には近所に住まう大物官僚の隠然たる力の証左ではないかと勝手ににらんでいるのだけれども政治家に徳目を求めるは八百屋に魚を求めるに同じとの名語録残る豪放磊落な御仁の居宅も区内にある位で、いわゆる「大物」官僚の居住率が高い。

そんな「大物」の中には前述の御仁が如く手腕買われてバッチ転身組が少なくなく。全国比例ゆえ地元の知名度は劣るも同区の縁で決起大会に招かれたことがあった。当日の弁士は位人臣極めた大物中の大物官僚。その弁や「彼は官吏としては有能なのだけれどもこと議員となると....」。議席さえ与えて下されば仕事はこなすとそういうことを言いたいらしいのだけれども確かに媚びを売るというか電柱に頭下げる性格とは程遠く。悲しいかなそちらが跋扈する世界、再選果たされず政界を去られた。

偶然にも通勤電車内で数年ぶりに見かけて声をかければ御元気そうな様子にそれが世に言う天下りというのか知らんけど政府系のシンクタンクに職を得ておられたと記憶する。が、今や御立派な社会的地位を有する方々がズラリと並ぶ会議の座長とのことでそちらの提言とともに意見を述べよと。電柱への御辞儀厭わぬ私如きに意見求めるは八百屋の魚に同じ。駄文添えれば前回に続いて再び。前回が「地方創生」ならば今回は...「少子化」。

文中、目を惹くのが事実婚と扶養義務の文言。倫理上、産んだ責任を負うのは当然ながらそこが厳格化されればそこに躊躇して断念する男女もいるかもしれんし、逆に授からば容易ならぬ覚悟を有するだけに。いや、そりゃあくまでも快楽の産物であって本末転倒、婚姻が先との価値観残れど少子化の時代にあって子を授かるは天の恵み、出来ちゃった婚をいかに解釈するか。

家族制度を左右しかねぬ事実婚には慎重論根強くもひとり親家庭については経済的に困窮した世帯多く。貧困の連鎖への懸念から子への支援を求める向きもあるもそこに至る過程は様々であって、少なからず親の「勝手な」都合も含まれない訳ではなく。そのへんのべつくまなしに括っていいものか。

勿論、ひとり親家庭の支援を拒むものではないんだけど「支援は当然」と言われればそこに些かの違和感を覚えてしまうのは私位か。出自とて運、ぞんざいな物言いなれど、どこかしらでそれも当人が背負う宿命と悟る人生観、というか多少の負い目があってもバチはあたらんのではないか。

不都合なことは伏して言わず、世論に迎合する美辞麗句の類を並べるが当選への近道、が、憎まれ役は誰かが演じねばならず。医療費とて当人の不摂生のツケを社会に回す側面はないか等々、親父の小言が如く警鐘を鳴らす役回り、悪人を気取るもまんざらでも...いや、悪人。

(平成31年1月25日/2478回)

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2019年1月20日 (日)

神父

露骨な表現は品位に欠けると知ってか用いられる婉曲「別な役職」。過去の例に倣えば最大会派の団長の次なる鉢は...。勿論、純粋なねぎらいもあれば、冷やかしというかチラつかせてこちらの反応を窺っているように見えなくもなく、そのへん不思議と分かるもの。

合戦の勝敗、当落すらおぼつかんのに先のこと言わば鬼が笑う、我が世の春が終われば一丁上がりなんて陰口を叩かれかねず、上り坂を駆け上がる時こそ気力は漲る訳で...。まぁその行路が上り坂とも「別な役職」が坂上の雲とも思っとらんけど。

そう、あの時は現職が辞表出さずに留任しちゃったもんだから後が詰まって該当者が複数。順序あれども評議では決まらず、忍びよる多数派工作に次なる一手をおらがセンセイに求めたことがあった。「決は採らぬに限る。それが人事であれば尚更でそこで生じた遺恨は災いの種」と。

市議如き分際で口挟むは憚られるか海外情勢。離脱合意を大差で否決した下院。下された国民の判断が覆されかねぬ迷走の英国。大規模デモの仏国、移民流入に悩む独国、社会の教科書で教わった民主主義の優等生たちの挫折見れば自ら政治は三流などと卑下せずとも及第点位は得られそうな気がせんでもなく、それすらも自虐史観の産物だったりもして。

まぁそもそもに多数決なんてのは手っ取り早い分、微に細に思慮が働かん訳でましてや国民の意を問うなんてなれば聞こえはいいけど一部の口達者に煽動されてポピュリズム、独裁者の台頭を許しかねず。一般人よりも高尚な判断を下せるなどと高慢なことは言わずともその判断も含めて託された為政者としての職責を放棄、自ら無能を宣言するようなものであってどうにも好かん。ということで本日の学びは多数決は採らぬに限る、否、為政者に課せられた責任は軽からず。

残留か離脱か、国家の命運を左右しかねぬ重大事を国民投票に委ねた愚。紆余曲折があって現状になっとるのだからそれを一転させるに僅差の結論を以て最終判断とするにちと拙速過ぎたのではないか。されど用意周到に事を運んだつもりも予期せぬ不測の事態に為政者の言い知れぬ苦悩は他人様には知る由もなく。職を辞すばかりかバッチも外されて政界から完全に姿を消した同氏の回想録が出版されるとか。

株価当たらぬ評論家とて後追い講釈だけは達者な訳で世にそんな事例は少なくなく。つい最近もその手の話を二度聞いた。いづれも縁談絡み。一つは不仲な夫婦に迫る離婚の足音。そんな二人を踏み止まらせようとしたHさんの話。そして、もう一つは逆に縁談にこぎつけたい二人に立ちはだかる壁、周囲の反対に決断を躊躇する二人。踏ん切り付かぬ男女の依頼を受けたKさん。いづれも善意むなしく破談に終わるのだけれども巷に囁かれる陰口「彼のせいで」。

無言貫くも時効と知ってか開かれた重い口。そんな軽いものではないながらも本当に結ばれたいのであれば何を躊躇う必要があろうかと迫ったもののそれがかえって決断を鈍らせてしまったかもしれぬと述懐するKさん。そこに他意なく純粋に二人の前途を案ずればこその親心通じず。もしそこに至らば神父の誓約とて同じことを聞く訳で...。まぁ外野は勝手だからナ。

(平成31年1月20日/2477回)

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2019年1月15日 (火)

眼鏡

三時間待ちの三分診療と揶揄される世界、それでいてミイラ取りがミイラというか別な御荷物を背負わされてはかなわぬ。よほどの不摂生でも無い限りは本来備えている免疫力に寝れば翌日には...。されど、医師から処方されるクスリってのは市販薬に比べて不思議と効くんだよナ。

良医とは何ぞや。Tさんによれば機械的な診察ならぬ患者に寄り添う、つまりは話を聞いて下さる先生を意味するらしく。とは申せ、所狭しと居並ぶ患者群にあって隠居族の世間話に付き合わせては傍迷惑ではないかと窘めれば完全予約制にてそちらの心配は御無用とか。久々の対面に枯れ気味の声。かねてより聞き及ぶ懇意の良医への受診を勧められるもそんな些細な動機で受診しては他の患者のみならず折角の良医にも申し訳ないと固辞する私に目的はそれのみならずとTさん。

それを口実に行かば名乗らずとバッチが勝手に宣伝してくれる訳で...。「いやいや、そんなことしてまで」と言えればいいのだけれども口実というよりも事実そうであるし、何よりも善意の御節介は拒んではならぬ。「すぐ行こう」、何とも不純な動機ではないか。着いた玄関先で紹介の御礼申し上げ、暇乞いすれば勝手知らずに困るだろうからと同伴を申し出る親身ぶりに良医以上によき支援者に恵まれた幸福感に浸ることしばし。

待合室の受付には妙齢の看護婦。常人ならぬ患者相手とあってマスクは必須。白衣の天使、眼鏡にマスクが美人に見えるとか。覆われる部位が大きいほど広がる妄想、口元が顔に与える印象って大きいんだナとTさん。ひょっとして同伴の目的は「私」ならぬ別な意図があったのではないか...。いや、本人の名誉の為に申し上げておけば心臓の疾患にて定期受診されているのは事実にて懇意かどうかは別にせよかかりつけ医には違いなく。

小声といえども静寂では相手の耳に届く訳で一歩間違えばそちらを疑われかねず。昨今なんぞは露骨な接触行為のみならず、相手が抱く不快さが尺度だそうで同じ言動といえども相手次第。饒舌に語るTさんに相槌を打ちつつ、向けられた視線の先は受付の表情にてそのへん心配無用と知った。

勝手な妄想といえばこちら。まだまだ若いもんには負けぬとの介護度の調査に見るまでもなく誰しもが自らを良く見せたいもの。それが当落を左右するとならば尚更で。大半がまだ見ぬ有権者にてその一枚を「信じる」しかないのだけれども昨今は別人が如く加工が可能にて。実物か写真か、会って落胆させる位ならば実物のほうがいいと思わせたほうが...とは知りつつも抜かりない一枚を撮り終えた。

当人の生き様が現れるのが顔なれどその表情は作れる訳で。身内に不幸があろうとも平然と祝意を述べねばならん稼業と教わった。難局において主導者が狼狽しては周囲を不安に陥れる。思慮は悲観的でも所作は楽観的に。頼まずと「震災市長の手記」なる自署入りの一冊届いて読了。被災地に冬将軍が訪れている。

(平成31年1月15日/2476回)

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2019年1月10日 (木)

県議

週刊誌の年始定番「大予測」に並ぶ今年の目玉は元号改正、参院選、消費増税だそうで、おらが統一選なんて所詮は足軽の...。されど、目にせぬ国会議員よりもそこにいる市会議員のほうがネタに適するらしく囁かれる下馬評に罵詈雑言の数々。

「まだ、やるのか?」の引退勧告に「オレが代わりに」と鼻息荒いN君。地元の御大尽なんぞまで「ぼちぼち私も市会議員でもやろうかと思ってな」などと冗談だか本気だか意味深な発言にダメ出しされては居場所なく。そんな存在脅かす面々に私の退職後を問えば「アンタは県議にでも...」。将棋の駒ぢゃあるまいに勝手に動かされてはかなわんけれども所詮は「でも」の類。

どこぞの党首による政令市の県議への言及が波紋を呼んで以降は鳴り潜めしその話題。権限移譲された政令市と一般市を同じ人口比で配分されたのでは...。あくまでも県全体を見渡すのが本来の役割と言われればそれまでだけど政令市は区ごとの選出にて枠二つとあらば必然的に大政党が議席分け合う構図。

あの政党すら候補擁立を見送る位だから他の参入叶わず無投票なんてのも。が、そこに競争なくば堕落するのが人の常。やはり有権者の皆様に「わざわざ」投票所に足を運んでいただいて名を書いていただいてこそ冥利に尽きぬか。定数減らせとは申さぬまでも区割りを区から複数区もしくは市へとか...。閑話休題。

戸別訪問に勝る必勝法なしといえども本チャン中、つまり告示日以降は禁止されとる訳で。裏を返せば法律で禁止されとることはそれだけ効果的とおらがセンセイに教わった。さりとて、そんなもんに目を通すなんてのはよほどの物好きか収監恐れる候補者位なもので一般人など知る由もなく。慶事とばかりに届く酒も禁止事項なれど知らぬ善意の相手に御法度ゆえと拒めるか。そこに含めた立案者の意図や分からんでもないけど時代にそぐわぬこともなきにしもあらず。

大雑把に申し上げれば貰うは可なれど渡すは不可。有権者「買収」の罪とか。見方変えればセンセイの私腹を肥やせる仕組みになっとるから今どきは逆のほうがいいのではないかと思わんでもなく。会費の負担は合法なれど会費記さば実費相当額以上の上乗せ、いわゆる「善意」が見込めぬ、ゆえにあえて金額を記さぬ会合もあったりして。記されておらぬとは申せ、よほどの無神経でなくば手ぶらで行けぬ。

逆とて同じ、こちらの為に貴重な時間を割いて下さったのに割り勘などと自ら言えるか。客人方とて何も目先の千円、二千円にありつこうなどとのセコい肚なくあくまでもその日々の「気風」が評価される訳で。会社なんぞも「今日は割り勘で」なんて上司が好かれるか。そんな折位は全額といかぬも多少は自ら被る位の度量なくてどうする。

当陣営なんぞは参謀役が機転を利かせて下さるのだけれども座布団下の金銭に票を買うなんて話は昔。尾行される訳ではあるまいに貰うだけ貰って記す候補者は別人だったり...。いや、そんな人物に限って義理堅いから法律の立案者はやはり慧眼に違いなく。

(平成31年1月10日/2475回)

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2019年1月 5日 (土)

M鮨

「ほんとに来ぬのか?」、そこには仲間としての連帯感以上に逆説的な意味合い、つまりはセンセイを呼び出す力の誇示的な要素が多分に含まれている気がせんでもないのだけれどもやんごとなき事情にて非礼を詫びつつ欠席となった。

地元のM鮨にて催された恒例の忘年会。疎外感の払拭とか店主への挨拶以上に喰いそびれた損を取り戻すべく翌日にくぐったのれん。「居らぬに任せてよもや私の悪口なんぞは...」と水向けるも笑って流す鮨屋の大将。鮨職人になる為に何年も修行するはバカとのあの御仁の発言が物議を醸したのは数年前。鮨職人に修行は必要かとの問いに言わんとすることは分からんでもなく、されど修行は無駄かと問われれば否定出来ぬところがネタとしては格好か。やはり日本人は鮨に限るナ。

しばしして妙齢の女性が「一人で」隣のカウンターに座った。慣れぬ手つきの高校生に「大将の孫?」、「甥っ子のせがれでね」と大将。「そういえば、女性の鮨職人ってのはどうかしら?」、「土俵に同じ、神聖なるものを汚すべからず。されど、そこには排除の意図も含まれる」、「そもそもにカウンターに女性ってのも昔はね...」と微笑浮かべる御婦人。進む女性の社会進出の背景に横たわる社会不安。女は愛嬌と良縁求めど男社会にも厳しい雇用情勢。揺らぐ年功序列と終身雇用に少なくとも自らの稼ぎ位は...。されど、そうなると当面の生活には不自由が無い訳で薄れる伴侶の必要性に、未婚、晩婚、草食系男子と続く。鋭い観察眼に名残惜しくも矛先がこちらに向かぬ前に店を出た。

そう、蚊帳の外にて物言えど唇寒し。在留資格の緩和は人不足を理由にした経済界の意向とか。確かに介護なんぞはその劣悪な待遇への鬱憤が利用者に向けられる位ならば親切な外国人のほうが...。されど、国内には職にあぶれた若者が大勢いるのに他国に求める必要性はどこに。その多くは需給のミスマッチ。高賃金を求めるも叶わず、低賃金、いや、中賃金とて拒みがちな供給側の事情もある訳でそれは(高賃金に必要な)能力が足りぬからだと片付けるのは容易なれど、ならば低中のままで彼らに将来が描けるか。そんな複雑な方程式の解を見つけるは政治の使命。

目先の一事象の代償としては安からぬ門戸開放への拭えぬ不安。多様性、多文化主義なる美辞麗句に異を唱えようものなら排斥主義などと言われかねぬ風潮こそ憂慮すべきではないかと思わんでもなく。ならば、「先駆けた」欧州はどうか。克服せんとの姿勢や否定されるものでもないけれども移民受入に寛容な社会が見せた譲歩は親切な大家として見られる一方、入居した店子側に譲歩の余地なく対立深まる価値観が生む社会の混乱。

そんな状況は本市が全国に先駆けて制定したと胸をはる「あの条例」に重なった。権利意識進むは結構なれど過ぎたるは及ばざるが如し、他の権利侵害など歯牙にもかけぬ、物事の善悪、賛同者の多寡以上に声のデカいヤツが跋扈する社会の到来に口すぼむ当時の面々。他の追随少なきはその欠陥を見抜いた賢い選択か。

欧州の負い目は過去の植民地支配。国に原罪思想を植え付けることが自己不信を育てる一番の方法だそうで、殴られた時に自らが何かしたかを問わせる人類史上初めての社会と最近の一冊に読んだ。

(平成31年1月5日/2474回)

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