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2018年11月15日 (木)

数学

「ヨソモノ議員只今奮闘中」とあてがわれた演題の講演を終えて一人の御婦人から声をかけられた。「私の息子が数学科の在籍なのですが就職は大丈夫でしょうか」。

そう、伝統誇る郷里の母校同窓会のひとコマ。語られる波乱万丈ならぬ抱腹絶倒の半生。今の仕事こそかろうじて最下位で拾われたものの、こと採用試験となると転職も含めて惨憺たるあり様にて。微分積分が何かの役に立ったかと問われれば返答に窮するし、確率とて所詮は机上の理屈、緻密に計算された確率も運に左右されては...。

小中高の数学と大学のソレとは似て非なるもの。その境地に達するには地道な積み上げが求められ、そこに費やされる労力の割に一般社会で報われぬ。米国の金融街では数学者こそが重宝されるなどと自慢してみるもそりゃほんのわずか。理か文かといわれればそちらが適性で白衣と試験管を拒んだだけの結論なんだけど、同じ試験科目に合否の点数とて大差なく後々のことを考えれば他の学科のほうが...。

看板こそありつつもヨソモノゆえどこぞに後ろ盾は居らぬかと求められた初陣の弁士。特異な世界と知りつつも他にツテなく御隠居の教授に打診すれば遠路はるばる応援に駆け付けた。「それでは弁士に御登壇を...」-「えー、わが母校の数学科こそは...」とついぞ私の名は登場しなかったのだけれども見るからに教授然とした教授が演台に立てば台下の生徒はじっと聞き入るのみで。内容は兎も角もその熱弁に割れんばかりの拍手。ということで今回なんぞも君の専攻は数学かと詰め寄られて手渡される論文。好きなんだナ、数学。

本会議の欠席こそあれども支援者の葬儀とあらば馳せ参ず。情報網の薄さを悔やんでみるも届かぬ訃報。落選の下馬評ぶら下げた見知らぬ候補者に激励の言葉。そんな逆境の時こそ覚えているもので以来ずっと懇意にしていただいた支援者の訃報を後で知った。「本来は身内だけのつもりでしたので...」と語る喪主に案内され御霊前に手を合わせた。御遺族から聞かされる当人の知られざる逸話を懐かしみつつ、帰り際、玄関に無造作に置かれた柿を形見にほおばった。

忌諱されがちな死、伝えるべきか、伏せるべきか。おらがセンセイなんぞは単純明快、人同士が疎遠になる世においてそれを機に普段会わぬ顔を見れば何らかの会話が成り立つのだから故人も報われると公言はばからぬも最近は身内による家族葬も少なくない。他人様に余計な負担をかけたくない、いや、その関係が煩わしい、何かと気遣いが億劫、そんな薄情な意図は無いと信じたいが、異なる価値観に割れる判断。

そう、暇に見られてか年末の同級会の勧誘係を仰せつかる、いや、押し付けられているのだけれども折にふれ聞かれるひと言「この齢になると」。アンタは変わらず...いや、同い年です。五十路前にしてそんな状況なのだからその後は推して知るべしで。がんばるブスか、ままのブスか、老人は飾るべきか否か、大台前の同級会を舞台に根源的な葛藤を軽妙に描く一冊。内舘牧子氏の最新刊「すぐ死ぬんだから」を読むべしと返信しておいたけれども...。

(平成30年11月15日/2464回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

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