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2018年10月15日 (月)

丁稚

実りの秋、五穀豊穣を祝う祭礼を終えた。膝元ならずとも顔出せば「用意してあるから」と手渡される神輿担ぎの半纏は村人の証。返却はそのままで結構と言われるも汗まみれは失礼、大切なモノを借りた以上は...と御礼を添えて後日改めて恩人の御自宅を訪ねれば畑仕事の小休止、縁側に腰かける親子の奥には獅子頭が飾られていて。御一族の弥栄を願いつつ、庭で採れたイチジクを頬ばった。

翌日に残るあの...倦怠感なんて言えばバチが当たるから心地よい疲労感に道中の苦しさ紛らわす作り笑顔はどことなくマラソンに似ていなくもなく。名を売るに必死の新人候補、縁起物といえども慣れぬ肩を酷使しては明日以降に支障をきたすぞと年長風を吹かせれば終始担ぎ通したばかりか宮入後の歌謡大会ではギンギラギンを熱唱「した」というか「していた」と人づてに聞いた。侮れぬ根性はどこまで有権者に響いたか。

そう、ここだけの話、あのカラオケってのは嫌わずともどうにも好かず。まぁそもそもに縁なく、サビ位は知るも歌詞を覚えようなんて気にもならず、歌手ぢゃあるまいに人前で臆面なく熱唱するなんてのは正気の沙汰とは...いや、端倪すべからざる才能と世辞でも述べておくけど、そこまで好きなら好きなもん同士で勝手にやって下されば何ら不都合はないのだけれども付き合わされるは世にいうパワハラではないのかと。分かるかなこの心境。

同じ言動も甲は許されて乙は許されず、恣意が左右する判定。それはさすがに...そう思わずとも勝手に断定されてはかなわぬ。所詮はカタカナ表記の舶来文化ゆえ好かんのだけれども何でもかんでも烙印を押す風潮はいかがなものかと思わんでもなく。やはりカラオケの誘いも拒まずに...違うか。

さて、些か自慢めいた物言いながら多読家にてそれが実になっているかは別にして月に十冊は下らず。今やスマホの電子書籍で複数冊を同時に読むのがささやかな趣味。ジャンル問わぬも伝記が贔屓の一つであって、小説である以上、下駄に着色は当然ながらもその作家がその人物をいかに描くか、問われる作家の力量。あれだけのホールを作り得た背景には少なからず創業者の理念がある訳で。

純ちゃんのオビに惹かれた訳ではないのだけれども最近の一冊に伊集院静氏の「琥珀の夢」があって、サントリー創業者の鳥井信治郎の生涯を描く。冒頭に登場するは丁稚時代の松下幸之助。主人の命にて舶来の自転車を届けた客先で憧れの人物からかけられた「坊、気張るんやで」。幸之助はその邂逅を終生忘れなかったとのくだりで始まる。

かくいう信治郎も商家の二男坊にて幼少より丁稚奉公に励むも冷飯の日々に押し寄せる数々の試練。理不尽な仕打ちに愚痴もこぼさず全ては勉強の姿勢を貫く信治郎に不思議と拓ける道はまさに塞翁が馬。往年、幸之助にかけた言葉はかつて自らが遥か雲の上の主人、小西儀助からかけられたものだった。

成功の陰に忍耐あり、すぐに「欲しがりません...」に結び付けられてしまうのだけれども失うに惜しい価値観ではないかと。

(平成30年10月15日/2459回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

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