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2017年3月27日 (月)

千両役者

苦節四十年、家族の為に耐えて迎える退職日。局長ともなれば最後の常任委員会の際に挨拶の機会があって、その半生を振り返っての回想録が会議録に残るものの、何も退職を迎えるのは局長ばかりではない訳で...。その選考とあらば役職は二の次で独断と偏見による貢献度、つまりはどれだけ融通が利いたかと当人の人柄が尺度となり、眼鏡にかなえば小宴に主賓として招かれるんだけど、晴れて今年の栄冠に輝いた御仁とは...。

そっと打診すれば「ヘンな誤解を与えかねないので」と固辞する一幕があって、まぁ確かにまいど理不尽な要求を突き付けてくる連中など顔も見たくはないであろうし、あと十日もすれば赤の他人になる訳でそっとしておいてくれということもしれぬ、と、受話器を置こうとした寸前に「い、いや、道端で偶然会ったことにすれば何とか...。わ、わかりました、何時にどこぞの店ですね」と通話が切れたとか。

そんなやりとりを聞けば無碍に断るのもどうかと良心の呵責に苛まれた末の決断かもしれず申し訳なかったかなと自責の念に駆られてたりもするんだけど、そんな時に限って事が生じるもの。その当日に「たまたま」用事があって電話を入れれば、当人不在にて部下が対応してくれたんだけど、「今夜は上司が御世話になるそうで。急用なら連絡させますが...」と。おいおい、身内にはちゃんと伝わっとるぢゃないか。よもや「あのセンセイに誘われてさ、しょうがねぇな」などと自慢話が如く吹聴されてはいまいか。もう、ほんと千両役者だナ。

さて、目下、巷の話題は政治介入。つまりは口利きに端を発する政治的配慮だとか。脅されたなんて証言が得られれば追い落としの格好の材料になる訳でその高圧的な追及姿勢の裏に隠れた不純な動機が見えてしまうだけに何ともさもしくも見えてしまうんだけど、それが不当かどうかは価値観の違い。ハラスメントに見るまでもなく同じ行為でも相互関係で解釈が変わる何とも不都合なものなれど裏を返せば信頼の証。

そもそもに彼らとて絢爛豪華な経歴を失うリスクを背負う以上は慎重に事を進めるであろうし、いつも恫喝しているようなヤツらには何かと理由をつけて便宜は図られんだろうから口利きは言語道断なんてのは彼らの逆恨みに聞こえなくもない。およそその手の相談ってのは不慮の災難や不条理な扱いに困り果てて情状酌量を求めるもので、杓子定規を座右の銘とする役所の限界を超えるものだから政治の介入がなければ前に進まず、彼らとて人の子だから善良な方が困っていれば何とかしてあげたいと思うのが人情ってもんで、あれこれと抜け道を探してくれるんだけど、その際にどこぞのセンセイ絡みだからと名が利用されればそれこそ本望。

さりとて、何でもかんでもハイそうですかでは相手に利用されかねず、こちとら斟酌して自己都合の過ぎるものについては逆に相手をいなさねばならんのだけど、道徳的な価値観に負う面が大きく。が、それ以上に人の目利きこそ大事にて、どこぞの千両役者が如く時に人を見抜けぬ眼力を恥じることもある訳で...人にはご用心を。

(平成29年3月27日/2336回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

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