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2016年10月20日 (木)

自慢話

字は人なり。書道教室には5年ほど通ったはずが一向に上達せず、習わずとも達筆の方を見れば不思議でならぬ。それほど性格がいいようには見えんのだが...。

近所の先生からはがきが届いて書道展に顔を出した。昭和一桁生まれの先生はまさに「先生」を地でいく御仁にて元職は小学校の国語教諭。威厳十分、政治には辛口ゆえそちらに及ばぬよう注意を払うんだけど、いつぞやに大の野球好きであることが判明して以来、話題はそちらばかりで「筒」の字など出ればもう...。そう、川崎球場を本拠地とした大洋ホエールズ以来のファンだそうで今もなお自ら観戦に行くほどの熱狂ぶり。今年はいい年でしたな。

まぁGなど圧倒的な大差での優勝を許した訳でもあるし、ベイスターズとてCS進出は初めての快挙なだけに今年ばかりはGの敗北やむなしと割り切っていたんだけど、キリマンジャロの社長が日本シリーズ観戦に行くと聞いて「オレも。黒田の日」とメールをすれば「最終日なら」と返事が来た。そんなあるかないかもわからん試合...でも、待てよ、ありうるナ。ということで、万が一にも最終戦までもつれるようなことがあれば御当地にて「それ行けカープ」を熱唱しているかも。おい、どこがG党なんだ。

最近読んだ本に水泳の北島康介選手の昔話があって当人の父親曰く、きっかけは生後11カ月でプールに投げ込んだことだとか。そんな話がうちと重なったんだけど、私が日本海に投げ込まれた際には既に物心がついていたから2歳頃か。今なら虐待などと言われかねんけど甘やかしちゃイカン。そんな父親によれば家のことは女房に任せきりだったとの回想もあってそちらもやはり。兎にも角にも教育熱心な母親にてこれがほんとに厳しかった。

否が応でも机に向き合わされれば成績が上がるのも当然で通信簿の主要科目は「5」がズラリと並ぶ。自慢めいているけどほんとの話。それでいてガリ勉ではなく、性格もさほど悪くない(自分で言うな)のだからやらせておけば何かと都合がいいだろうという衆目の一致した打算の結果で毎年のように教室の世話焼き、つまりは学級委員長を任されることになった。まぁリーダーシップなどと大それたものを期待された訳でもなく単に調整役というか雑用係のようなもの。

元々地味な性格ゆえあまりしゃしゃり出ることは好まず、あくまでも回りから推されただけなのだが、妻に言わせればそれは封建的な風習が今尚残る田舎の話であって、学級委員の選出において都会では立候補による選挙は当然。ましてや最近などは内心書に実績が記されるから受験に有利だとかで生徒以上に保護者の中で垂涎の的だとか。が、それでは嫉妬や軋轢が生まれるではないか。

そこに親子のどんな会話があったのかは知らぬが、息子が学級委員に選ばれたと聞いた。勉強の出来不出来以上に支持してくれる友達がいるというのは何よりもの宝。そういえば最近おらがセンセイから聞いたんだけど、他人様の世話を焼く方と焼かれる方では老化の進行度が違うのだとか。勿論、他人様の御節介をするのが若さの秘訣だそうで。

(平成28年10月20日/2298回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

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