甥っ子
「甥っ子の肌色語る夏休み」と一句。真っ黒に日焼けした肌に丸坊主はどう転んでも野山を駆けずり回った田舎っ子。都会の生活に慣れた小学生には時に野山に囲まれた田舎生活などはかけがえのない体験となる訳で、中でもその土地に何らかのルーツがある田舎というのは貴重な存在。
柔道一直線、小学5年生の兄は県の強化選手に選ばれたとかで、この夏休みも連日他県に出向いて他流試合をこなす一方、2年生の弟も留守は嫌だとばかりに兄に同伴。稽古試合では兄に及ばぬまでも高学年を投げ飛ばすとか。そんな負けん気強い甥っ子は「おいちゃん!」と人懐っこく来るのだが、体操金メダルの白井選手は当時二人の兄が出場する大会にゴネて「特別に」参加したものの、優勝した兄以上の点数を記録して怪童ぶりを見せつけたというから「オマエがオリンピックに出たらおいちゃんが大きな日の丸持って応援に行くからな」と言い聞かせた。
今の自宅には仏壇はないから迎え火を炊いて心静かに御先祖様を...なんてことはないんだけど、そんな慣習が残るわが国において盆と終戦が重なる巡り合わせは何とも不思議な縁。死して靖国で会おうと誓い永久の旅路についた戦没者が年に一度帰ってくるのであれば手を合わせてもバチは当たらんのではないかと終戦日を前に靖国神社への御参りを終えた。
全面降伏か勝ち目なき開戦か、既に過去の話にて「もし」は言わずにその運命を受け入れたとして敗戦から学んだものが不戦の誓いだけとは何とも寂しい。題目を唱えて救われるのであれば紛争などとうに存在しない訳で...。国の弱体化を狙う陰謀がある以上、するしないを告げ口するかのような報道は他国の片棒を担いでいるようでどうも好かん。好かぬなら己が行かねばいい訳で宗教観の違いなのだから他人様からとやかく言われるものではないと思うけど。
そもそもオリンピックなども平和の祭典のはずが、御当地の治安は最悪、略奪強盗何でもござれ。会計の粉飾に汚職、不況から大統領が弾劾されて停職中の異例の事態。開幕式こそ何とか国のメンツが保たれたものの、試合本番で他国の国歌が流れるなんてのは失礼千万、侮辱以外の何物でもなく。それでいて1泊10万円~ってんだから治安は世界屈指の最高レベルで1万円も出せば十分に快適な部屋とサービスが提供されるわが国とは雲泥の差。
新横浜駅のホームで数分おきに到着する新幹線などを見るにやはり時速がどうだというよりも寸分狂わぬその緻密な運行計画と正確性に驚かされるが、年間約12万本を運行する東海道新幹線で1列車あたりの平均遅延時間は1分に満たないとか。それとて災害時も含めたものだからそちらを除けばまさに世界に類を見ない脅威的な数字ではないかと。わが国には他国に真似の出来ぬ魅力が沢山、それを支えるのがわが国の伝統的な価値観であって道徳が根付かぬ国の将来は暗い。
相手に喜んでもらうことが自らの喜びに繋がる幸福の連鎖を生まねば。と、挑戦し続ける話題の高校生レストランの視察を終えた。
(平成28年8月15日/2282回)
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