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2016年8月20日 (土)

陶片追放

その手には弱いもので「センセイ、久々に」と誘いがあって、朝のゲートボールに顔を出すことになった。夏本番、若干早めに到着したものの誰もおらず。ん、時間間違えたかな?いや、さすがにこの暑さでは...いやいや、侮るなかれ、3分前ともなれば続々と。今年、百歳を迎えたFさんなどは前日に続く連投だそうで、「アンタは(試合に)出んのか?」-「炎天下は慣れていないので...」と会話が続く。

さて、迫る9月定例会。ウチなどはさしづめ競馬予想でいう「順当」になりそうだけど、こちらは「波乱含み」の印らしく、その本命はこちら。4年1期だから5期もやれば立派なベテランであって、実績云々は兎も角も6期、7期ともなればそりゃもう確かにスゴいことで。まぁそちらは小国の国家予算以上だから利権というかしがらみや成り行き上の話の類があるのは事実なんだろうけど、何も守銭奴が如く本人がすり寄るばかりじゃないからね、バッチの威光を笠に受注を狙う業者側からの依頼に断れず...なんてのも。

世の中、理不尽なことが少なくないし、私などはひねくれものの判官贔屓にて当人に世話になった方もいれば応援している支援者の方々もいるのだから悪の権化が如く叩かれるのは些か気の毒な気がしないでもない。そんな世間を賑わす大物と直接の面識こそないまでもある席で知人の一人が困りごとをこぼした際に居合わせた人物が自ら幹事長に直接話してあげるよと携帯を取り出した。当事者でない私は遠目にその様子を見ていたに過ぎないんだけど、苗字は確かにそれでいて受話器向こうの声は聞こえぬまでもそこには「ドン」らしきものはなく、むしろ清廉潔白の英雄気取りこそ煮ても焼いても食えぬつまらんヤツだと思うけど。

そんな「ドン」と抵抗勢力を目の敵に選挙の余勢を駆ってやれ新党だなどと騒ぎ立てるけど、そこには目立ちたい本人の意向と新たな風を背に出馬したい新人候補者、それに視聴率を狙ったマスコミの利害がある訳で、過去に倣えばポケGOが如く一過性のブーム。そちらはゲームだけどこちとら生活がかかっているからリセットが利かぬ。仮に新たな勢力が生まれたとしても所詮は親に反抗出来ぬ子飼いのポチだから...。

そちらは執行側の長だけに目付役とは比べ物にならぬ圧倒的な権力を握る訳だから中には阿(おもね)る輩も出て来る訳で、既存勢力とて自ら推薦した首長ではないことを理由に何から何まで反対する大人げない連中は兎も角も付かず離れずの適度な距離感があったほうが緊張感が保てる上にむしろ思い通りにならぬ位のほうがあれこれと思案を巡らすから本人の為にはいいと思うけど...。

そうそう、最近もそちらの話題で水を向けられたどこぞの首長のコメントを見かけたけど、そのへんの事情は過去の経験からよく御存知の様子。かつて、米国との輸入自由化の交渉中でレモンの関税撤廃を決断した時の総理の膝元はレモンの一大産地にてそんな暴挙に地元の生産農家が陳情というよりも半ば「脅し」に押しかけた。「自由化するなら次回の選挙で...」との相手に「レモン位で落選する私ではない、帰れ」と追い返したとか。

イヤなヤツを落選させる陶片追放はギリシャ時代からの常套手段だが、私利私欲に塗れた相手の挑戦を退ける気概と時々の風潮に流されぬ支持は日頃から得ておきたいもので。

(平成28年8月20日/2283回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

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