なおログ[Blog]

« 2016年7月 | トップページ | 2016年9月 »

2016年8月

2016年8月29日 (月)

金華サバ

達成率というか完走率9割以上などと聞けばなんだ大したことないぢゃないかと思ってしまうのだが、何せ距離が距離だけに冷やかしはハナから除外されてツワモノばかり。距離だけであればフルマラソンに毛の生えた(随分余裕だナ)もんだけど参加証と一緒に届いたコースマップを見れば50kmの山越えでその高低差が...1千m以上。

ちなみに心臓破りの坂で有名な箱根駅伝5区(23.2km)は860mなだけにそれは無謀な挑戦に近いけど目の前の壁は高ければ高いほど達成感があるんだよナ。まぁそんなことで日々の特訓に余念がないものの、天候不順で思うように調整進まずに募る不安。やむなく事務所で机に向き合えばTさんからもらった鈴虫がいい声で鳴くんだよナ。「走らんでいいのか?」って。ということで刻一刻と近づく本番を前に未だ津波の爪痕が残る海岸線を走った。

道路の左右に広がる田んぼ。方や青々とした稲が育つも反対側は枯れ草生える休耕田。震災後の転居で不在のケースもありそうだけど、中には風評に売れるか分からんコメを作る位ならば放っておいて補助金を貰ったほうが...との判断がない訳ではない。金銭の損得勘定ではそちらに分があるかもしれんけどいつまでもそちらに依存していては自ら立てなくなる訳で働く意欲だけは失ってはいかんよナと。

一夜にして家も家族も失う悲しみに猫の額ほどの部屋で仮設暮らしを余儀なくされる住人の苦悩は当人にしか分かりえないと知りつつも被災地でボランティア活動を続ける知人に請われて御一緒させていただくことになった。目的地は福島県相馬市及び飯館村。事故後、距離に応じた円盤状に区域指定がなされるも風向きや地形が災いしてか圏外ながらも避難区域(つまりは帰宅困難)に指定された飯館村は原発の北西に位置する自然豊かな村。

黒い袋を覆い隠すように緑色のシートが被せられているものの、休耕田に積み上げられた除染袋の山々が前途見えぬ復興を物語る。その必要性こそ否定しえぬが終わりの見えぬ作業には安からぬ費用が投じられている訳でさすがにそこまでやれば...。来年4月には避難指示が解除(一部地区除く)されて晴れて帰村が可能というが、村内における耕作は一律に禁止されるそうで諸手を上げて喜べる状況にはないとか。

下手に同情を寄せても事態は一向に改善される訳でもなく、陰鬱な気分になるばかり、さりとて、冗談半分に笑いを誘おうにもかえって不快な想いを抱かせないとも限らず、慎重に言葉を選びながら話を進めるも知人がとりなして下さったおかげで気紛れ程度の役は果たせたか。いや、意外とこちらの自己満足だけだったりして...。

野馬追いで有名な相馬市は天然の漁場に恵まれた漁のまち。今回の津波で松川浦を含む海岸線は壊滅したものの、着実に進む漁港の整備。海の向こうにはサバで有名な宮城県の金華山が見えるから多分それは「金華サバ」なんだろうけどこちらで水揚げされれば違う名称であるばかりか放射線量の計測が義務付けられるそうで、何とも理不尽な話だが、そんなことにもめげぬ漁師たちの元気な声を聞くとともに、朝ラン途中で高台の慰霊碑にそっと手を合わせた。

(平成28年8月29日/2285回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月25日 (木)

虚栄心

陳情にて世話になった現場の課長が定年後の再雇用でどこぞにいるとかで「隣区の」Oさんから御礼を頼まれた。ものの「ついで」に立ち寄れば当事者はあいにく不在だったものの、見慣れた顔があって「センセイ、久々」とこちらも再雇用組。こんちくしょう!現役時代はよくもイジメてくれたナと退職後に仕返しを受けるようでは情けない。どこで繋がっているか分からんから媚びる必要はないけど他人様にはすべからく親切にすべし。

そんなOBとて退職すれば一市民となる訳でそちらから陳情が寄せられることもあるんだけど、古巣の都合位は分かってくれるはず...との淡い期待とは裏腹に手に負えぬこともあるから十分に御注意を、と当時のN課長が教えてくれた。あっ、ほんとだ。

世の中にそんな思い違いというのは少なくない。知られているのは「名選手は名監督ならず」なんだけど、そんな立派な家庭の御子息に限っての「立派」に意外と含まれるのが...。教師と生徒の関係と親子関係は似て非なるもの。どんなに冴えぬ父親でもせがれがしっかりしているかと思えば、容疑者の父親が社会的な地位が高いとされている方だったりと。そこに教育の意義と教育では担いきれぬ親子関係の重要性がある訳でかくも奥が深さが世の妙味。

コワい父親との思い出が綴られたエッセイ、阿川佐和子さんの「強父論」を読んだ。著者によれば目次の小見出しは全て父の台詞だそうで、その冒頭が「一に妻子を養う為、二に些かの虚栄心の為」と。御存知の通り父君は有名な文筆家なのだが、あんなコワい父親が仕事を続けた理由がソレだったと気づかされる著者。

ここ何年か、といっても今年が2年目なのだが、同部屋のセンセイ数名と家族ぐるみのキャンプを開催していて。ただでさえひとクセもふたクセもある連中なのだから仕事以外は距離を置いていたほうが利口だと思うのだが、どうやら言いだしっぺは私らしく、家族との夏休みを聞かれた私が言葉に詰まったことが事の発端だとか。

と、折角の機会にも関わらず肝心の妻は不参加。本人の名誉の為に申し上げれば決して付き合いが苦手という訳ではなく一挙手一投足どころか箸の上下までアレコレと口を挟むから不在のほうがやりやすかろうという気遣いだとか。ということでウチだけ父子(それも疎遠な)親子での参加にて炊事、その他諸々は他のセンセイの奥様方の世話になるんだけどせめてもの償いにおらがセンセイの御自宅でかすめた、いや、いただいたシャンパンを持参して...。

そんな慣れぬことをするもんだからまいど荒れ模様の天気。数日前には晴れの予報だったんだけど...。さりとて、悪運も備えた連中だから何故か「そのとき」だけは不思議と雨が止むんだよナ。今年の目的地は長瀞、「ながとろ」って読むんだけど埼玉県の秩父の麓。さんずいを含む「瀞」ってのはなだらかな水辺で地名が如く「瀞」が長く続く景勝地。

上流では激流をゴムボートで下るラフティングがあるからそれに挑戦しようというのが今回の目標。親は水泳の達人でも子はカナヅチな訳でライフジャケットの効能に万が一の事故時における救護までしっかりとレクを受けて臨む激流下り。子供以上に親が夢中で...未だ疲れが抜けぬ。

(平成28年8月25日/2284回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月20日 (土)

陶片追放

その手には弱いもので「センセイ、久々に」と誘いがあって、朝のゲートボールに顔を出すことになった。夏本番、若干早めに到着したものの誰もおらず。ん、時間間違えたかな?いや、さすがにこの暑さでは...いやいや、侮るなかれ、3分前ともなれば続々と。今年、百歳を迎えたFさんなどは前日に続く連投だそうで、「アンタは(試合に)出んのか?」-「炎天下は慣れていないので...」と会話が続く。

さて、迫る9月定例会。ウチなどはさしづめ競馬予想でいう「順当」になりそうだけど、こちらは「波乱含み」の印らしく、その本命はこちら。4年1期だから5期もやれば立派なベテランであって、実績云々は兎も角も6期、7期ともなればそりゃもう確かにスゴいことで。まぁそちらは小国の国家予算以上だから利権というかしがらみや成り行き上の話の類があるのは事実なんだろうけど、何も守銭奴が如く本人がすり寄るばかりじゃないからね、バッチの威光を笠に受注を狙う業者側からの依頼に断れず...なんてのも。

世の中、理不尽なことが少なくないし、私などはひねくれものの判官贔屓にて当人に世話になった方もいれば応援している支援者の方々もいるのだから悪の権化が如く叩かれるのは些か気の毒な気がしないでもない。そんな世間を賑わす大物と直接の面識こそないまでもある席で知人の一人が困りごとをこぼした際に居合わせた人物が自ら幹事長に直接話してあげるよと携帯を取り出した。当事者でない私は遠目にその様子を見ていたに過ぎないんだけど、苗字は確かにそれでいて受話器向こうの声は聞こえぬまでもそこには「ドン」らしきものはなく、むしろ清廉潔白の英雄気取りこそ煮ても焼いても食えぬつまらんヤツだと思うけど。

そんな「ドン」と抵抗勢力を目の敵に選挙の余勢を駆ってやれ新党だなどと騒ぎ立てるけど、そこには目立ちたい本人の意向と新たな風を背に出馬したい新人候補者、それに視聴率を狙ったマスコミの利害がある訳で、過去に倣えばポケGOが如く一過性のブーム。そちらはゲームだけどこちとら生活がかかっているからリセットが利かぬ。仮に新たな勢力が生まれたとしても所詮は親に反抗出来ぬ子飼いのポチだから...。

そちらは執行側の長だけに目付役とは比べ物にならぬ圧倒的な権力を握る訳だから中には阿(おもね)る輩も出て来る訳で、既存勢力とて自ら推薦した首長ではないことを理由に何から何まで反対する大人げない連中は兎も角も付かず離れずの適度な距離感があったほうが緊張感が保てる上にむしろ思い通りにならぬ位のほうがあれこれと思案を巡らすから本人の為にはいいと思うけど...。

そうそう、最近もそちらの話題で水を向けられたどこぞの首長のコメントを見かけたけど、そのへんの事情は過去の経験からよく御存知の様子。かつて、米国との輸入自由化の交渉中でレモンの関税撤廃を決断した時の総理の膝元はレモンの一大産地にてそんな暴挙に地元の生産農家が陳情というよりも半ば「脅し」に押しかけた。「自由化するなら次回の選挙で...」との相手に「レモン位で落選する私ではない、帰れ」と追い返したとか。

イヤなヤツを落選させる陶片追放はギリシャ時代からの常套手段だが、私利私欲に塗れた相手の挑戦を退ける気概と時々の風潮に流されぬ支持は日頃から得ておきたいもので。

(平成28年8月20日/2283回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月15日 (月)

甥っ子

「甥っ子の肌色語る夏休み」と一句。真っ黒に日焼けした肌に丸坊主はどう転んでも野山を駆けずり回った田舎っ子。都会の生活に慣れた小学生には時に野山に囲まれた田舎生活などはかけがえのない体験となる訳で、中でもその土地に何らかのルーツがある田舎というのは貴重な存在。

柔道一直線、小学5年生の兄は県の強化選手に選ばれたとかで、この夏休みも連日他県に出向いて他流試合をこなす一方、2年生の弟も留守は嫌だとばかりに兄に同伴。稽古試合では兄に及ばぬまでも高学年を投げ飛ばすとか。そんな負けん気強い甥っ子は「おいちゃん!」と人懐っこく来るのだが、体操金メダルの白井選手は当時二人の兄が出場する大会にゴネて「特別に」参加したものの、優勝した兄以上の点数を記録して怪童ぶりを見せつけたというから「オマエがオリンピックに出たらおいちゃんが大きな日の丸持って応援に行くからな」と言い聞かせた。

今の自宅には仏壇はないから迎え火を炊いて心静かに御先祖様を...なんてことはないんだけど、そんな慣習が残るわが国において盆と終戦が重なる巡り合わせは何とも不思議な縁。死して靖国で会おうと誓い永久の旅路についた戦没者が年に一度帰ってくるのであれば手を合わせてもバチは当たらんのではないかと終戦日を前に靖国神社への御参りを終えた。

全面降伏か勝ち目なき開戦か、既に過去の話にて「もし」は言わずにその運命を受け入れたとして敗戦から学んだものが不戦の誓いだけとは何とも寂しい。題目を唱えて救われるのであれば紛争などとうに存在しない訳で...。国の弱体化を狙う陰謀がある以上、するしないを告げ口するかのような報道は他国の片棒を担いでいるようでどうも好かん。好かぬなら己が行かねばいい訳で宗教観の違いなのだから他人様からとやかく言われるものではないと思うけど。

そもそもオリンピックなども平和の祭典のはずが、御当地の治安は最悪、略奪強盗何でもござれ。会計の粉飾に汚職、不況から大統領が弾劾されて停職中の異例の事態。開幕式こそ何とか国のメンツが保たれたものの、試合本番で他国の国歌が流れるなんてのは失礼千万、侮辱以外の何物でもなく。それでいて1泊10万円~ってんだから治安は世界屈指の最高レベルで1万円も出せば十分に快適な部屋とサービスが提供されるわが国とは雲泥の差。

新横浜駅のホームで数分おきに到着する新幹線などを見るにやはり時速がどうだというよりも寸分狂わぬその緻密な運行計画と正確性に驚かされるが、年間約12万本を運行する東海道新幹線で1列車あたりの平均遅延時間は1分に満たないとか。それとて災害時も含めたものだからそちらを除けばまさに世界に類を見ない脅威的な数字ではないかと。わが国には他国に真似の出来ぬ魅力が沢山、それを支えるのがわが国の伝統的な価値観であって道徳が根付かぬ国の将来は暗い。

相手に喜んでもらうことが自らの喜びに繋がる幸福の連鎖を生まねば。と、挑戦し続ける話題の高校生レストランの視察を終えた。

(平成28年8月15日/2282回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月11日 (木)

タダ酒

「車なので」と告げたはずが、「そうか、そうか、まぁどうぞ」と注ぐ手には瓶ビール。もしや招かれざる客だったかナ、口を付けずに、いや、付けれずに席を立った。かと思えば、やはり膝元などは気が利く、というか、よくわかってらっしゃるから「おい、アレ出せ」とモエ何とかなんてシャンパンが。「今日は車だから...」-「置いて帰ればいいじゃないか」。あっ、そういうことだったのか。そもそもに名刺1枚でタダ酒にありつこうってんだから贅沢を言えた義理はないのだが、そんな負い目すらなくしゃあしゃあとくだを巻いているセンセイも居たりして...。

その位、物怖じせぬ胆っ玉でも備えていればもう少し票も伸びそうな気がせんでもないけど、こちとらタダ喰いは好かん性分にて。以前、どこぞのセンセイが通夜の席にてここぞとばかりに酌して回って顰蹙を買ったなんて話を聞いたけど、注がれたほうなどはどこ吹く風であのセンセイは気が利くなどと上機嫌なのだから何とも。多事理不尽であることは存じ上げているものの、人の機微は移ろいやすく、これだけ応援してるのに来やしないという恩が仇になるのだけは避けねばならぬ。やはり「来た」という事実こそ残さねばと前半の盆踊り回りを終えた。

さて、意義こそ否定されるものでもないが、果たしてそこまでする必要があるのかという加減論に疑問符の付く施策は少なくない。ゼロだとか100%だとか、兎に角、威勢が良すぎやしまいか。全死因の約3割、つまりは3人に1人の死因はこちらだそうで、もっと早く気付けば...との一方で、ならば毎年の検診を義務付ければ防げるかといえば進行性のがんなどは数ヶ月が生存を左右しかねないだけに。

現在、各自治体が実施するがん検診は低廉な自己負担(1千円程度)が魅力。が、実際はその自己負担分以上のコストが生じている訳で、その差額は自治体の負担。検診の科目は「胃がん」「大腸がん」「肺がん」「子宮がん」「乳がん」、そして、自治体によっては「前立腺がん」が含まれる(本市は未実施)んだけど、積極的な勧奨とは裏腹に伸びぬ受診率。その受診率の向上を目指すのは結構だけれども、目標達成になりふり構わずとなると腑に落ちぬことも生じる訳で、どこぞの自治体なんぞは本年度から新たに無料クーポン券などを配布して...そりゃウチ(川崎市)だった。

そもそもに(受診を)するしないの判断は自己である以上、100%なんてのは眉唾、というか噴飯もので(自己負担を)無料にしてもどの程度の改善が見込めるか。名古屋市などはワンコインで受診率が「大幅に」改善したなどと風の噂に聞いたもんだから実際に御当地を訪ねて担当者に話を伺った。確かにワンコインの実施後に改善は見られるものの、その効果はあくまでも限定的。が、さすがに一日の長だけあって実態調査の結果や当事者の話などは大いに参考になった。

結果によれば受診に伴う金銭的な負担以上に仕事を理由にした時間的制約が大きな比率を占めるんだけど、それとて仕事にかこつけただけで実際は心理的な恐怖心が大きいのではないかと勝手に推測していて...そりゃ私だけか。無理に受診を勧めるよりも食生活の改善や適度な運動を促したほうが効果が見込めるのではないかと。本来の目標を見失ってはイカン。

(平成28年8月11日/2281回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 6日 (土)

手抜き

待望の夏休み。私などは当然の如く日課だったもんだから「おい、ラジオ体操には行かんのか?」と聞けば返事なく。然らば「おいどんの朝メシは?」と問うてみても一寸気配すらなく、一人寂しく玄関のドアを閉めた。

炎天下に慣れぬ外回りなどするもんだから汗だくでかなわん。ガンガンに冷房を利かせた屋内も捨てがたいが、やはり夏はこちらに限る。と、ヨネッティー王禅寺に立ち寄った。ここは隣のごみ処理センターの余熱を利用した温水プール。体型こそ逆三角形にはほど遠いけどこう見えて当時は水泳部の主将も務めた水泳男子。

そもそもの動機は重度の小児ぜん息に悩む私を見かねた担任が自ら顧問を務める水泳部に誘って下さっただけなんだけど、ほんと夏は海にプールにほぼ一日中泳いでいたから北島選手とまではいかぬまでも...いや、ほんと水泳はかなりの上級者です。当時の花形は何といってもバスケ部で水泳部などは地味目ながらも今にして思えば実用的でいい選択だったかも。

そうそう、昨今は泳げぬ生徒が多いそうで、本市などもプールが苦手な児童を対象に「子どもの泳力向上プロジェクト」なる水泳教室を実施中だとか。かくいううちの子供なども泳げぬ一人、というか教室内でも「ほぼ」ビリの泳力にて夏休み中に克服するようにとのことらしく。「泳ぐ」「走る」はヒトの基本動作だから誰でも出来るなんて余計なひと言が妻の癪に障ったかそちらの教育係を請け負うことになってしまった。ということで今日は「水」の話題なんだけどこちらはかなり深刻な話。

夏本番ともなれば夕刻の積乱雲に雷鳴轟く土砂降りってのが特徴の一つだけど、兎角、近年の降雨量は過去を遥かに凌ぐ。ゲリラ豪雨なんて命名はあまり好かんのだけど、局所的な集中豪雨による被害が絶えない。少し前に支援者から自宅前の道路舗装が「手抜き」ではないかとの相談を受けて、そりゃもうほぼ言いがかりというか単なるタチの悪い冗談にすぎないのだが、現場検証に出かけることになった。

浸透性などといってもたかが知れたものでどれだけ抜きんでたものであってもさすがにこれだけ降れば道路は川の如くなる訳で...。まぁ「手抜き」云々というよりも自宅前の雨水対策の話で本管へ注ぎこむ繋ぎの雨水管の径を太くすることで改善策がまとまりかけた矢先にやはり集中豪雨で近所の踏切が冠水、それが原因で電車の運転が見合わせる異例の事態に。後日、私鉄側から早急に対応を講じるように求められたと聞いた。

そもそもに線路沿いに昔からの水路があって近年の降雨量に耐えきれぬばかりか周辺の開発に伴いコンクリートの道路は雨水の浸透を妨げるから水路への流入量も相当な量になるらしく、尚且つ、「昔のまま」なもんでえらく蛇行していることも災いしてか近年は途中で氾濫してしまうのだとか。ということで水路の抜本的な改修が必要というのが結論なんだけどそれだけの予算をどうすべきか、などと思案していて...。よし、これだ!と。

(平成28年8月6日/2280回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2016年8月 1日 (月)

嘘発見器

諸々の都合をやりくりしての参加だけに表彰式を残して帰る方もチラホラと。翌日以降に御礼の挨拶兼ねて当日の賞品を届けるんだけど隣近所の話題もそちら。「おっ、Tさんも参加したんだな。スコアは...ふむふむ、なかなかいいスコアぢゃないか」などと村の潤滑油として重宝がられていて。

翌日には参加者から手紙が届いた。数年前に脳梗塞を患い、その復帰戦とばかりに臨んだ今回のコンペでは足腰の筋力が足りなかったと悔しさがにじみ出る。過去に会社のコンペで優勝して以来、社内では「プロ」と異名をとったSさんもさすがに今回ばかりは低位に甘んじた。それでも私より上位なのだから何ら恥じることもなさそうだけど、今後は更なる筋力アップを目指してジム通いを決めたとか。

さて、各国で相次ぐ無差別テロ。その実行犯はいづれも若者であって、有能で純粋な青年たちが凶悪なテロリストに身を投じた転機とは...。挑発する黒装束が記憶に新しいが、一冊の本「ジハーディ・ジョンの生涯」(ロバート・バーカイク著)が目についた(随分マニアックだナ)。が、彼らに匹敵する残忍性を備えた若者の犯行、正気の沙汰と思えぬ凶行に深い悲しみと憤りを抱いた方も多かろうが、テロリストとの違いは何か。

仕事柄、対人関係が左右する面が大きいから心理面の知識は多少心得があるつもりだけど、護送中の不敵な笑みは犯した行為への反省というよりも自己陶酔と見た。死して報われると完全に信じきっている彼らは命乞いなどしないが、こちらは事件後の取り調べで遺族への謝罪の言葉を口にしたとか。が、犯行当時は精神的な錯乱状態だったなどと一部の同情論や人権派の救済にあやかろうとの下心があるとすれば些か...どころか随分と虫のいい話で余計にタチが悪くはないかと。

精神鑑定などといってもそれで救われるとなれば恭順な姿勢やキチガイじみた精神倒錯を演出するのはたやすいもので、科学の粋を結集した嘘発見器などといっても結果は「ほぼ」間違いないんだろうけど、中には図太い神経の主もいるであろうし、「絶対」かと問われればそこまでの確信はどうか。当時の精神状態を理由に情状酌量の措置が取られることは被害者の御遺族にとっては憤懣やるかたなく、それでいて、釈放後には匿名の手記などを出版して著名人を気取るなんてのはあってはならん話で遺族の心情を逆なでする以外の何物でもない。被害者よりも加害者に寛容な国の善意は逆に相手をつけ上がらせる結果に繋がりかねない。

そう、このたびの事件において犯行に及ぶ過程における一連の対応が検証されると聞いた。容疑者の狂気じみた挙動に入院の措置が講じられたものの、その後の経過から医師の診断結果により退院。退院の事実は警察に知らされていなかったというが、つい、最近、本市において児童虐待の事件があった。報道によれば警察からの通告に対してCWが何度か母親の相談に応じていたものの、他都市への転居から対応を中断。転居先の自治体への連絡はせずにおいたものの、再び市内に戻った事実を掴んでなかったらしく。

親子関係に介入するなと言われれば躊躇もあるだろうし、対応には何かしらの限界があるものでそれを理由に後付けで咎められるのも些か気の毒な気がしないでもないが、失った命は二度と戻って来ないだけに未然に防ぐ努力は惜しんではならぬ。

(平成28年8月1日/2279回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2016年7月 | トップページ | 2016年9月 »

 
自民党
山崎なおふみは自民党の議員です
自民党ホームページへ
KAWASAKI CITY
山崎なおふみは川崎市の議員です
川崎市議会のページへ