かきまる君
春本番。新宿から小田急線の急行に乗って新百合ヶ丘駅を過ぎると右手に川沿いの桜を眺めることが出来る。わが麻生区の観光名所の一つに麻生川の桜並木があって、毎年、この季節になると多くの見物客が訪れることで有名。
新百合ヶ丘駅下車徒歩5分でスタート地点に到着し、ちょうど柿生駅までの一駅区間、川沿いに整備された遊歩道を散策しながら桜を愉しむことが出来る。この散策というのがポイントで満開の桜並木の下を歩いていると自然に祝福されているかのような幸せな気分にさせてくれる。デートコースとしてもぜひお薦め。
毎年、麻生区観光協会主催の麻生川さくらまつりが催されていて、今年も来賓として御招きをいただいた。最近ではどこのイベントでも付き物になった「ゆるキャラ」の御披露目会も行われ、わが麻生区の名産品「禅寺丸柿」をモチーフにしたゆるキャラ「かきまる君」が誕生した。硬派なもんだからその前でスマホを向けている自分が何となくカッコ悪いような気がして食いモンやゆるキャラの投稿はほとんどないのだが、他人様の投稿を羨みつつ、「いいね!」ボタンを押している。
この麻生川、今では想像もつかないがかつては暴れ川として名を馳せていたそうで、降り続く雨に農地への冠水や土砂流入による大きな被害をもたらしていたと聞いた。関係各位の尽力により今の完成形を見たことは頭の片隅に入れておかねばならない事実。
さて、根強い人気を誇るルパン三世の再放送「ルパンvs複製人間」を自宅にて愚息たちと一緒に見ていたのだが、タイトルにあるクローンが登場するその作品の公開は78年だが、iPS細胞やES細胞が世間を賑わせる今日にあってもどことなく斬新さが光る。そう、最近読んだ一冊にグーグル(Google)社の元CEOエリック・シュミット氏が記した「第五の権力」があって、テクノロジーの進化がもたらすであろう近未来を描いた一冊。
著書の中で医療分野では従来の最大公約数的アプローチだった製薬会社の医薬品研究は遺伝子検査の進化により個別化医薬品となり、テーラーメイド医療の時代が到来すると予言する。勿論、恩恵ばかりではない。その進化に伴う負の側面も描いていて興味深く拝読した。
最近では非配偶者間の人工授精の子供たちの父親探しなどがクローズアップされるが、医療技術の進化とともに悩みや葛藤が増えるのも事実。とりわけ生殖医療の分野では倫理面からの慎重論が根強いが、「生殖医療は人類の福音か?」の見出しに惹かれて中央公論を購入。「がんばらない」で有名な諏訪中央病院名誉院長の鎌田實氏の一文を読んだ。
生殖医療の進化をどう受け止めるか、というよりも技術の進化は止めることの出来ない歴史の必然。その必然を甘受しつつ、いかなる社会を築いていくか、技術の進化とともに人類の叡智が試されている。
(平成26年3月31日/1708回)
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