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2013年12月19日 (木)

技術屋

本屋を物色していて、竹中半兵衛に黒田官兵衛と両名の目立つ本が気になっていたのだが、いまさらながらに意味が分かった。来年のNHK大河ドラマは「軍師官兵衛」。

郷里が越後なもので、戦国武将の贔屓は上杉謙信なのだが、名参謀として主君を支えたその両名の活躍や人となり位は知っておかねばなるまいと珍しく歴史物を手にとってみた。竹中半兵衛は早逝ながらも秀吉の二兵衛(ひょうえ)と称された両雄の人生と活躍に三国志時代の稀代の名軍師、伏龍と鳳雛を重ねてしまった(ちなみに三国志は私の愛読書)。

最近、飲んだワインに仏国のジュヴレ・シャンベルタンで活躍する日本人醸造家、仲田晃司さんの「ル・デュモン」ボジョレーがあって、そのワインは漢字で「天地人」が描かれた斬新なラベルことでも有名。今回、手にした本は数年前の大河ドラマ「天地人」の原作者、火坂雅志氏の編集。さすがに歴史物の作家は人物眼と表現力が豊か。

「天下人になるほどの政治家は、真の悪人である。しかし、内なる刃物を老獪に隠しているために、ときに快活に、時に篤実に、いや慈悲深くさえ見える。自らの頭の冴えをおもてに出さず、逆に隙をつくってみせることで、周囲を安心させ、それが人々を引きつける求心力になっていく」とあって、秀吉や家康は「政治家」だったが、如水(=黒田官兵衛)は「芸術家」だった。軍師として一流であったがゆえに天下人にはなりえなかったとの分析は興味深い。

もう随分と昔の話、月刊「中央公論」に元国土交通省技監の大石久和氏が寄せた「本当に公共事業は悪役なのですか」との論文を拝読したことがあるのだが、世に阿らぬ姿勢は職人の気骨、技監としての面目躍如であって、その気概が「芸術家」に重なった。

所信表明によれば新市長は「現場主義」だそうだが、対極の私は「密室派」(この表現も嫌味だナ)。さりとて、現場には自らの職場をこよなく愛する誇り高き人物がいることも承知をしているのだが、最近、訳あってある現場を訪ね、若手から退職を惜しまれる定年間際の責任者の話を伺う機会に恵まれた。

本庁で出世するには処世術に長けていなければならないが、職人肌の技術屋はそういう根回しが苦手なだけに閑職に追いやられやすい。全体的な職員削減の方針は致し方が無いにしても技術屋の不補充は由々しき事態。伊勢神宮の式年遷宮は宮大工の技術継承が理由と伺ったが、ちょうど20年は施設更新のサイクルに重なる。何も分からぬ新人だった当時に先輩から教わった技術を中堅として後輩に伝えていく。が、最近は職員を育てようにも技術屋が回ってこないのだそうで、若手への期待とともに技術継承が途絶えることへの懸念が窺えた。

それは自らの立身出世の為に「作られた」言葉ではなく、本市の将来を憂いての遺言。そんな現場の声を代弁する、いや、解消することも私どもセンセイに課せられた使命の一つではないかと。

(平成25年12月19日/1606回)

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電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

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