キャスター
5月11日のブログに記した道路縁石のバリアフリー化。採用するしないは行政マンの判断だが、有益な情報は一つでも多いほうがいいと地元の道路公園センターを訪ねたのだが、「既に採用していました」と翌日に御電話をいただいた。
それでこそかつて提案した甲斐があったというもの。しかも、区内のみならず市の顔ともいえる川崎市役所前の縁石も既に刷新されているではないか。ひねくれた性格の持ち主だけに随分と失礼な物言いをしてしまったことをお詫び申し上げる。
さて、「おもいっきりテレビ」といえばみのもんた、「報道ステーション」といえば古舘伊知郎が番組の顔。「めざましテレビ」といえば、そう、大塚範一キャスター。既に20年になろうとする朝の長寿番組。
いつものことながら本屋を物色していたのだが、ある本の表紙の写真が目に留まった。その笑顔には昔の面影が残るものの顔が丸みを帯びていて別人に近い。ムーンフェイス症という副作用なのだそうで...。手にした一冊は「めざましテレビ」元キャスターの大塚範一さんが記した「耐えて、咲く」。
やはりテレビには疎いもんだから、その事実を初めて知ったのだが、現在、本人は白血病と闘病中。あんな人の良さそうな人が...神が与えた試練とはいえ、運命とは何とも皮肉なもの。逃れることの出来ない宿命をいかに受け入れ、その生を意味深いものにしようと悩み苦しんだ人間から学べることは少なくない。
その壮絶な闘病生活が記されているのだが、途中の写真には本人らしい笑顔が並び、文章もキャスターらしく今の病状を分かり易くユーモアを織り交ぜながら伝えている。また、これまでの人生を振り返り、仕事の大切さや報道のあり方やキャスターの資質についても持論が展開されていて、興味深く拝読した。
理想のキャスターの資質とは企画提案力、取材力、構成力、表現力、信頼性、親密製、そして人間性。それらを全て備えたキャスターは稀であって、その一人である池上彰さんはNHKの同期だという。
また、情報番組や報道番組にとって今、最も大切なものは信頼性であって、「これまでテレビは、センセーショナルにあおり、面白おかしく情報を伝えようとしたことで、どれほど信頼を損ね、視聴者を失ったことか。真実はそれだけで十分に面白く興味深いもの」とあった。
そして、タイトルにあるように何よりも耐えることの大切さ、それは仕事も同じ。これまでの人生で培ってきた忍耐力が今の本人を支えている。一日も早い治癒回復をお祈り申し上げる。
(平成25年5月25日/1398回)
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