棒鮓
「ぼうずし」と読む。「鮨」、「鮓」、「寿司」の中でも「鮓」は塩や糟に漬けた魚や発酵させた米に魚を漬け込んだもの保存食を意味するらしくまさにぴったり。つい、富山名物の駅弁「ますのすし」を思い出してしまった。
私の郷里の最寄り駅の直江津駅は富山駅と同じJR北陸線の特急停車駅。そこで売られている「ますのすし」が幼少時からの好物の一つである。グルメのK先生から「これ食べてみなよ」と鯖(さば)の棒鮓をいただいたのだが、これが絶品で、たいそう旨かった。
表には「米屋 吾左衛門鮓」とあって、裏面にその由来が記されている。江戸時代に鳥取藩の年貢米を回送していた廻船問屋・米屋吾左衛門の妻女が、船子たちのために作っていた弁当が始まりとあった。
それにしても地方の旨い駅弁がどこでも気軽に手に入るようになったことは旅行の愉しみが一つ減ったようで少し寂しい気がしないでもないのだが、それも贅沢とありがたく頂戴した。
さて、本題に入る。昨日は自民党市連の政経文化パーティー。大勢の方にご参加いただいた。昭和30年代の自民党の党員バッチを見せていただいたのだが、雨の日も風の日も長年に亘り支援し続けていただいた皆様には頭が下がるし、新たに期待を寄せて下さった方も含め、心からの感謝である。
一方において、パーティー券、いわゆる「パー券」は1枚1万円。市連所属のメンバーには重いノルマが課せられる。パーティーの成功裏には「パー券」売りの涙ぐましい努力があって、巷で話題の維新の会の2万円のパー券は飛ぶように売れたというが、それは物見遊山の御祝儀相場から売らずとも売れたのであろうが、こちらは義理もあれば押しつけもあったりして...。
わが党に限らず政治の世界の慣例のようなものなのだが、過去の遺物のようなもので、とっくにバブルは終わっているし、企業も四苦八苦の状況。企業経営であればまずは余分な経費を削るのがあたりまえだと思うのだが、こと政党と政治の世界は別世界らしく、ご承知の通り、今も国家予算は約40兆円の税収に対して、歳出は90兆円。44兆円もの新規国債を発行して賄っている状況は巷の財界と隔世の感がある。
タクシー券のバラマキ同様に時代錯誤の象徴の一つか、ただでさえ票で世話になっているのだから余計な負担を押し付ける訳には参らぬと泣く泣く自腹を切る羽目になるのだが、懐寒く秋の夜風が身に染みる(笑)。
(平成24年10月31日/1193回)
Vol.21(iPad/iPhone対応版)
販売定価:500円(税込)
PDF形式のファイルも
ダウンロード可能
こちらをクリック!
| 固定リンク | コメント (0) | トラックバック (0)