デフコン
仙台東部道路を福島方面に向かって走ると左右で対照的な光景を目にすることになる。向かって左手側、沿岸部は荒れ果てた田んぼ。一方の右側には青々としたササニシキが風に揺れている。道路が津波の防波堤の役割を果たしたのだ。
政令市の若手市議の勉強会。今回の当番は仙台市。大曲からの帰路にその勉強会に出席することになった。被災地の復興状況について1日目は当局のレク、2日目は現地視察が予定されている。レクの講師は仙台市復興事業局次長の寺内譲氏。他自治体からの派遣職員38名を含む166名で構成される事業局は5年での復興を目指すという。
市内の被害状況は死者863名、建物の全壊は約3万戸であって、現在の仮設住宅は1千5百戸。が、あくまでも仮設だけに国の補助制度を活用し、市街化調整区域を市が買い取ることで集団移転を進めようと総事業費570億円が予定されている。
農作物の被害状況については冒頭の通りだが、沿岸部に向かって西高東低のなだらかな地形を利用し、水を流すことで除塩を図るらしく、こちらは3年とのこと。この大きな被害を受けたこの東部地域の土地利用については幾つかのゾーニングがされており、その水田地帯は「農と食のフロンティアゾーン」として様々な案が検討されているという。
レクの後は懇親会であって、そのもっぱらの話題は領土。「おひとよし外交」では世界に通用しないことが明らかになったが、隣国の脅威にどのように対処すべきか。あくまでも懇親会なのだが、日米同盟の扱いや防衛力の増強、徴兵制などについて活発にやりとりがされている。
翌日は朝から議会運営委員会が予定されているから懇親会も途中で切り上げ、早めの帰路についたのだが、次なる脅威は。。。やはりサイバーテロではなかろうか。
花火大会の翌日の朝刊にもたまたま米中間のサイバー戦防止協力の小見出しが踊っていたが、軍備増強は負担が重い。力でねじ伏せるドンパチの世界は終焉を迎えつつあって、次なるステージはサイバー空間であることは間違いない。
帰路の新幹線でもサイバー犯罪を描いた「アイスマン」なる本を読んでいたのだが、改めてその脅威を実感するとともに危機意識の薄いわが国の将来を憂うことになった。米国では毎年「DefCon(デフコン)」と呼ばれるハッカーの祭典が開催されていて、年々盛り上がりを見せているという。
「アイスマン」にも法執行機関側がおとり捜査や司法取引を駆使して優秀なハッカーを取り込もうとする攻防が描かれているが、むなしいかな報酬面では民間企業や犯罪組織側に軍配が上がるだけに目がくらむとそちらに加担することになってしまう。それを留めるのは本人の倫理観なのだが、果たして。。。
(平成24年8月31日/1132回)
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