なおログ[Blog]

« N先生の助言 | トップページ | アラブの春 »

2012年7月 3日 (火)

一羽の鴨

ちょっとした縁なのだが、都内に「白金亭」という中華レストランがあって、医食同源のセミナー案内が届いた。

近年は健康ブームからか「食」に関する巷の関心が高い。かと思えばマクドナルドに代表されるファストフード店も好調なようで二極化が進みつつあるようだ。

長編の一冊「食の終焉」(ポール・ロバーツ著)を読み終えた。食の重要性は誰しもが認めるところであって、著書を読めば食の安全性について考えさせられることも少なくない。著者の取材力によって豊富な事例とともに、世界の穀物事情が描かれていて、改めて生産者の顔が見える日本の食材への愛着がわいてくる。

日々の夕飯の食材購入は私の家事の一つになっていて、相当前の話だが、「豚ロース」と「鹿児島産黒豚ロース」のいづれを購入するかで妻と口論になった。とうもろこしも同じ。「缶詰」か「ひげ付」か、いづれも後者なのだが、譲歩したのは私であって、不要に高いものを買うべきではないが、そこでケチった百円はいづれ高くつくのだという。以来、夫婦仲はヒビが入る程度で収まっている(笑)。

もちろんファストフードも利用するし、ジャンクフードとて元々嫌いではないが、著書に「食品にはもっとお金を払うべきであり、鶏肉が一ドルで販売されていたら、それは恐らく鶏肉ではない」ことを消費者が理解すべしとの記述がある通り、食材はこだわったほうがいいらしい。

その名の通り、「食」の安全性に対して警告を鳴らす一冊なのだが、食物生産を他者に委ねたことや遠く離れた経済システムによって決められても構わないとした消費者の認識こそが食の衰退を招いた原因と分析しつつも、何千年もの間、食は社会を忠実に映し出してきた。食は文明社会を生み出す物質とアイデアをもたらした。そして、その文明社会を崩壊させようとしているのも食がもたらした構造。人類は困難を乗り越えて進化してきた。飢えはいつの時代もより良い社会を作り出す為の契機だったと将来に若干の期待も抱かせている。

そして、著書における豊富な事例の中に一人だけ日本人が登場する。古野隆雄氏。名刺には「一羽の鴨が無限の可能性を作る世界へ」と記されているという。

九州の水田農家であって、田植えが済んだばかりの水田に何百羽もの合鴨を放し、夏になるとドジョウを放すのだという。稲刈りの後は被覆作物として麦を植えるのだそうで、単一作物ではなく、それぞれの特徴を上手く利用し、好循環サイクルを確立しているという。こういう事例が日本のいいアピールになっているんだよなぁ。

(平成24年7月3日/1073回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

Vol.18(iPad/iPhone対応版)
販売定価:500円(税込)
PDF形式のファイルも
ダウンロード可能
こちらをクリック!

|

« N先生の助言 | トップページ | アラブの春 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 一羽の鴨:

« N先生の助言 | トップページ | アラブの春 »

 
自民党
山崎なおふみは自民党の議員です
自民党ホームページへ
KAWASAKI CITY
山崎なおふみは川崎市の議員です
川崎市議会のページへ