アラブの春
金環日食から1か月、七夕も迫ってきた。今日は天文の話から。
この11月に南太平洋の島国サモアで部分日食が見られるのだという。日本で利用された「日食グラス」を捨てるのはもったいない。何とか活用できないかとの呼びかけに集まったグラスは1千個以上。その立役者は現地で理科教育に取り組む新沼迅逸氏。
同氏は長年、仙台市内の中学校で理科教諭を務め、昨年から国際協力機構(JICA)のボランティアとして活躍中とのこと。日本でも子供たちが歓喜の声を上げたようにサモアの子供たちの喜ぶ姿が目に浮かぶ。
まもなく梅雨明け、晴れた日の星空を眺めている宇宙の神秘を実感できて、ちっぽけな自分に気付かされる。天文の話が好きなのだが、アカデミーヒルズにて天文の話を聴講した。137億光年前の宇宙誕生から現在の天文研究の最先端の話。衛星エウロパ※から地球外生命体の話まで話題は尽きない。(※木星の衛星の一つ。表面は厚い氷に覆われるが、その下に液体の海があり、生命が存在する可能性も示唆されている)
スピーカーは国立天文台の小久保英一郎氏。天文学を志したのはスキューバダイビングがきっかけだったという。実は同氏も仙台市の出身なのだそうで、仙台といえば天文関係者が多い。七夕まつりは有名であるし、仙台市天文台はつとに有名。以前、その副館長にご案内いただいたのだが、本市の青少年科学館を高く評価されていた記憶が残っている。
閑話休題。現在、その六本木ヒルズにてアラブ・エクスプレス展なる美術展が開催されているそうだが、その基調講演ともいえる「池上彰が紐解く、アラブの今と未来」も聴講した。奥が深いアラブ世界についても多少の知識を備えていたつもりだが、新たな気付きもあったし、何といってもその講演が授業というか、とにかく説明が分かりやすい。
中東諸国は宗教対立や紛争のイメージが付きまとうが、産油国は世界屈指の富裕国であって、石油が出る出ないは彼らにとって死活問題。石油を巡る紛争も絶えないが、一方でジャスミン革命に端を発した民主化運動も各地に飛び火。
エジプトでは民主化要求運動「アラブの春」による独裁崩壊後初の大統領選において、ムハンマド・モルシ氏が当選した。果たして、中東に欧米型の民主主義は根付くのか、新たな民主主義が模索されるのか、民主主義のジレンマに注目が集まる。
そんな折、ある友人がエジプト滞在から帰国した。近々めしをともにすることになったのだが、現地の気温が47.5度ってどんな世界なんだ。
(平成24年7月4日/1074回)
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