がんばれO君
ここだけの話、旅館の関係者によれば酒癖の悪さワースト3に含まれる職業のひとつに「先生」が含まれるのだという。あとの二つは。。。とりあえず秘密か。
獨協医大の名誉教授、永井伸一氏によれば「両親とも教師」の家庭の子供は危ないらしく、危ないというのは学校の延長上で家庭でも教訓的な話が多くなりがちで子供がグレやすいのだという。まぁ関係者には耳の痛い話だが、今日はそんな教師の話題。
私の小学校3年生の担任は下村恒也先生であった。当時は既にいい御歳だったと思うが、独身だったから物心付いた生徒から冷やかされたりもしていたものの、課外授業が多く、毎日のように外に連れて行ってくれるから生徒の人気は高かった。今から思えば、学習指導要領による授業日数は大丈夫だったのだろうか。
冬の季節などは朝から小学校の裏手の砂浜に連れて行ってくれる。降り積もった新雪は柔らかいが、冷え込みが厳しいと埋もれずに新雪上を歩くことが出来るが、たまに「ズボッ」と埋もれることがあったりして、薄氷を踏むがごとく恐る恐る歩くのが何か面白かった。
6年生になると水泳部のキャプテンを務めるのだが、当時、入部を勧めてくれたのが、下村先生であった。当時は水泳部の顧問であって、私のぜん息を気遣ってくれてのお誘いだった。小学校卒業以来だが、今ごろはお元気だろうか。
さて、届け物があって地元の支援者の元を訪れたのだが、その向かいでは学生時代に私の活動を手伝ってくれたO君が自宅前で車洗いをしているではないか。
学生時代の専攻は国語と漢文だったと思うが、正義感の強い熱血漢で教師を目指していた。夢叶い、現在は教師生活8年目。今の赴任校は4年目だという。たまに夜の「幸龍」(地元の中華屋)で会ったりもするのだが、当日は久々の対面。
「随分と太ったねぇ~」。有権者にも関わらずズケズケと物申してみたのだが、聞けばヤンチャな生徒相手に奮闘しているらしくストレスからの暴飲暴食が原因とみた。ヤンチャな生徒は厄介だから担任を敬遠する先生も少なくないようで、O君のクラスがその受け皿になっているらしい。
中学3年生の担任だが、教師の必死さは生徒に伝わる。「生徒にはいい思い出が残ったんじゃない?」と聞けば、定時制を志願した女子生徒だけが残っているが、それ以外は無事に進路も決まり、卒業式にはヤンチャな生徒達とも感動の別れとなった様子。
教師冥利に尽きるとはまさにこのこと。まだ三十過ぎぢゃないか、疲れている暇はない。がんばれO君。
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