喫茶店で
立春を終えて、寒波も薄らぐ関東地方だが、向ヶ丘遊園の駅前にある昔からの行きつけの喫茶店(といってもシャノアールなのだが、)で市の管理職にバッタリと出くわした。その時の会話から。
昔は縁故採用もあったのかどうか、役所OBには地元関係者も少なくない。当時は右肩上がりの経済情勢だったから圧倒的に民間企業の人気が高く、役所は不人気だった。その我が世の春を謳歌した面々が一転、「公務員はけしからん」などと批判に回るのはイソップ寓話「アリとキリギリス」を連想させ、そこに一抹の同情を寄せるのは私だけではないはず。
まぁそんな公務員不人気の時代に採用された方々も既に定年をとなり、地元でしっかりと地域の活動に尽力されている。役所勤務がそうさせたのか、時代背景がそうさせたのか知らぬが、生真面目な方が多い。
昨年の暮れの地元挨拶回りの際に「彼とは昔は良く飲み歩いた仲間でね、いまは局長になったんだってねぇ。機会があればよろしく伝えてよ」と言われて、早速に伝えたのだが、当時を懐かしんでおられた。
それっきりだったのだが、喫茶店でバッタリ出くわした管理職は、局長からそんな話を聞いてますよとのこと。単なる雑談に過ぎなかったのだが局内の意思疎通、というかコミュニケーションが上手く図られている様子が窺えた。
そうであれば結構なのだが、役所内部は縄張り意識か縦割り行政の弊害か局間の意思疎通が図られていないことが少なくないし、局内でも上司との関係がギクシャクしていたりもする。私のブログ記事の伝達力だけは局間を越えて早いだけにサボタージュと言われても仕方あるまいか。
さて、市役所位では多少の不都合が生じる程度かもしれぬが、ことそれが外交となるとその弊害は致命的なものになりがち。わが国は島国だけに外敵からの脅威は薄かったのだろうが、文明の発達とともにボーダーレスの時代を迎え、諸外国はわが国の弱点を虎視眈々と狙っているだけに、オールジャパンで事にあたらねばならないのだが、縄張り意識が優先するとは残念な話。
今月号の雑誌「選択」には日本版NSC(国家安全保障会議)の設置構想が再燃の記事があって、過去の経緯から設立に立ちはだかる大きな壁、その効果が記されている。うさぎのような長い耳を持つべしなのだが、国益よりも省益が優先されるとは何とも恥ずかしい話。
ちなみに、その副題にはこう記されている。「また掛け声だけで終わりそうだが」。道は遠い。
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