ガイアツと健康~前編~
昭和初期と昭和58年の比較では肉類の消費は約11倍、鶏卵は約6倍、牛乳と乳製品は23倍、油脂類は約20倍ということらしい。
「貧乏人は麦を食え」とは故池田勇人氏の言葉だが、その小麦を原料とするパンと牛乳が日本人の栄養改善に寄与したという話は聞いたことはないだろうか。
「豊葦原千五百秋瑞穂国」とはわが国の美称のはずなのだが、その瑞穂国の学校給食の主食が何でパンなのだろうというのは以前からの疑問のひとつ。
わが川崎市議会においても米飯の回数を増やすべしとの質問も過去に見られたが、教育委員会は腰が重かった。それが米国の戦略だとしたら。。。
知人の薦めで-「アメリカ小麦戦略」と日本人の食生活(鈴木猛夫著)-を読み終えた。健康食を薦める本は多くあれども、その食文化の変遷とその背景を取り上げているところが興味深く、1冊で2度おいしい。お薦めの1冊である。
とかく日本人は「ガイアツ」に弱いし、今後のTPP交渉も注目される。本によれば戦後において、「米国が日本人の食生活を変えようとしたことは事実であるし、余剰農産物を有効に使ってうまく日本市場を獲得したのも事実である。
米国側の巧妙な戦略があって、また当時の日本側関係者が、米国の余剰農産物に頼って日本人の食生活を変革したいと望んだ結果、食生活が大きく変化していった」とは記事の引用。
過去のキッチンカー運動や学校給食会への働きかけ等の様子が描かれている。その栄養改善運動が結果として、ガンや心臓病、高血圧、肥満等の慢性疾患の増加をもたらし、そのツケを背負ってしまったとの考察は興味深い。
明日は本の後段。健康食としてのコメの記事を執筆予定。
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