カネ貸し
実は結構な借金を抱えている。勿論、貸す方だ。
元々人を見る目は節穴ではない(と自分で勝手に思っている)のだが、当時は余裕もあったし、義侠心に厚かったからついつい嵩んでしまった。
今さら返せというつもりはないが、カネの貸し借りで学んだことが随分多い。貸したカネは忘れるのがいい。であるから借金してまで人にカネを貸すというのは愚の骨頂であって、懐に余裕がある範囲内で工面すべきある。
社会人時代の経験談。
会社の先輩にT氏という物腰穏やかで誠実な方が居た。外資の過酷さに嫌気をさされたのか50歳を超えて転職。某有名大学の講師の職に落ち着いた。
ある日、電話があって30万円貸して欲しいという。詐欺師にだまされちゃってねと電話口で泣きつかれる。
今まで高い授業を払ってきたから、そんなこと位で心を動かされることはないのだが、お気の毒ですねなどとありきたりの言葉をかけつつ、まぁ仕方ないですよと素っ気ない返事をする。相手に諦めてもらう瀬戸際まで追い詰めて、最後は返済期限を決めて貸した。
案の定、トンズラされたのだが、詐欺師にあったのは私のほうであった。当時は金銭的な余裕もあったし、返ってことないことを承知で前職時代に世話になった餞別のつもりで貸しているのである。(その割には貸し方があくどいなぁ。我ながら腹黒い奴だとつくづく思う)
今以って連絡は途絶えている。追いかけるつもりもないが、30万円で失った代償は大きい。
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