理不尽な採択~後編~
昨日の件に限らず、開発案件に関する請願・陳情は少なくない。
「開発中止」から「近隣への配慮」を求めるものまで様々。それぞれの思惑が絡んでいて、悪徳な開発業者から住民エゴ、果ては署名を利用しようとする政治的意図まで。
開発案件については業者に対して許認可権を有する行政が圧倒的に強い。そして、最近はゴネ得も少ないのだが、一部の近隣住民が運動を扇動するようなケースまであって、業者も近隣住民との紛争は避けたいから譲歩することもしばしば。
請願を出す前に行政が介入して丸く治めるべきなのだが、開発自体に異議を唱えられると行政は手も足も出ない。最悪のケースとして裁判沙汰にもなって損害賠償を求められることになる。
開発に譲歩や近隣住民への配慮を求める内容のもの、いわゆる条件闘争的な請願は採択になる可能性が高い。
それが度を越したものであっても票につながるから、たとえ法律を著しく逸脱した内容でも請願者側に阿(おもね)った判断を下すケースが少なくない。
審議の最後に各会派の意見と取扱いを求めることになるのだが、「うちの会派は採択で」など何でも請願者に軍配を上げるひどい会派もある。最終的に判断するのは行政だから議員の面子も立つし、行政が悪者になれば一件落着。
一方のわが会派などは、委員会がどんな結論を出そうとも行政は法律の枠内の結論しか出せないことは分かっているから、常識的な判断を下すことになるのだが、常識的な判断は請願者側にとって一番厳しい内容となることが多い。
地域に戻れば、「うちは採択を主張したのですが、自民党が反対したので採択には至りませんでした」とはよくある口実。
いつも悪者になる自民党であった。
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