サトキン
ひょんな縁から学生時代にIさんという歌舞伎町のカネ貸しと知り合いになった。
派手なスーツに身を包み、現ナマを見せられて、「トイチでいいから100万借りない?」-「別に困ってませんから」とにべもなく断る。そんなIさん、当時から結構な遊びに連れて行ってもらった。現在は山手線の内側でコンビニのオーナーをやっている。
ある街に通称サトキンと呼ばれるカネ貸しがいた。推測だが、○○さんという個人金融で「サトキン」。アングラカジノの負けた客にカネを貸す。
個人金融だからレートは相手を見て決める。「日1割」であれば「トイチ」どころではない。まぁ客も翌日には融通して返すことが多かった。それで客がつくのだから結構な商売である。
が、本来であれば、生かさず殺さずに高額な金利を取り続けるというのが理想のようだから、果たしてどうか。いつの時代も金利というのはおいしいビジネスチャンスにつながる。
さて、川崎商工会議所との意見交換会。幾つかの要望の中に、中小企業向け経営改善資金というのがある。融資の金利補給らしい。
そのたびに、新銀行東京の事例を思い出すのだが、中小企業向けの融資を依頼しても銀行は貸してくれない、いわゆる貸し渋りに困っている。
しかし、一方で、融資はいいが、倒産されたら税金で補填になるし、中小企業救済という名目に査定が甘くなりはしないか。
彼らを救いたいとの気持ちは理解できるが、中には借りてトンズラみたいな輩が居ないとも限らない。一抹の不安を覚えつつ、意見交換を終える。
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