役者になる人なれぬ人~前編~
介護保険制度において区分変更の申請が増えているという。
平たく言えば、納得いかないからもう一度調査してくれということである。認定基準が4月に改定されたことに端を発するらしい。
制度ではそれぞれの申請者の状況にあわせて介護度が設定される。要支援から要介護5まで。1割負担には変わらないが、介護度が重いほど手厚いサービスを受けられる。
家族にとっては同じ人間を診るのだから日々の負担は変わらない。
少しでも重い介護度のほうがより充実した介護サービスを受けられるのだから、結果は重く判定されたいと思うのが自然である。
しかし、本当に不思議なもので、従来より重く判定されるなら兎も角、軽度に判定されるらしい。
介護度が軽く判定されるとなると家族にとって由々しき事態である。
リハビリの結果、症状が幾分か回復していても、疑心暗鬼でやっぱりおかしい、もう一度調査せいとなる。
本人はそれでいいが、その手間や再調査はカネがかかる。
残念ながら症状が回復して良かったねとはならないのである。
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