なおログ[Blog]

2017年8月16日 (水)

三国峠

贔屓の作家の新刊に三十年ぶりのクラス会の案内を聞いた主人公が当時の恩人へ御礼を言う為に出席を決意するシーンが登場するんだけど、私の学年も来年が卒後三十年だとかで早くも準備に余念がない。

こちらじゃいつも脇役なれど向こうに戻れば押しも押されもせぬ主役級な訳で。そこに生活実態が無いもんだから些か負い目を抱きつつも「乞われて」この夏二回目の帰省を終えた。何もその為だけにわざわざ...と倹約家の母の小言が聞こえてきそうで内緒で宿を探せば何処も彼処も満室ばかりかようやく見つけたビジネスホテルも数割増の料金は納得いかず。私はやんごとなき事情なれど盆は実家に泊まるんぢゃないのかと。

どうせなら「ついで」を見つけたくなるもので、シューズに着替えといつでも用意は怠らず、後は荷物を預けるロッカーとシャワーがあれば十分。となればやはり目の前に温泉が並ぶそちら。越後湯沢と三国峠の往復を目指したんだけどさすがに「ついで」には無謀が過ぎたか、雨にも降られて途中で折り返すことに...それでも随分走ったけど。

そう、当時などは東京といえばとんでもなく遠いところで特急「あさま」で半日以上、昼食は横川駅で峠の釜めしと。それが上野と新潟を結ぶ上越新幹線の開通に長岡経由になり、その後は越後湯沢と私の郷里の直江津を結ぶほくほく線が出来て更に近く。長野新幹線から北陸新幹線へと路線を伸ばしたものの上越妙高駅は随分手前なもんだからそこからは在来線。が、その本数が著しく少なく...。

同級会の下準備のはずが、卒業アルバム片手にアレコレと昔話に花が咲く。誰と誰の関係がどうだったとか、私の知り得ぬ恋バナに誰それの近況云々と。全八組もあれば消息不明も少なくなく、目撃情報が寄せられるも潜伏先までは掌握できず、手がかりはアルバム巻末の実家の連絡先のみ。およそそんな厄介な役回りは私の仕事らしく携帯片手に番号を押せば突然の電話に動揺する母親に後ろから「やめておけ」の父親の声。それでも受話器を置く間際にそっと近況だけは教えてくれた。

ヒロインのKさんなどは知らずと近くに居るらしく、いつぞやに私のポスターが話題になったと聞いて「随分勝手ぢゃないか」と詰め寄れば「向こうは高嶺の花ゆえ」と意味不明な回答。小学校以来のN君が料理の道に進んだというのは知ってはいたものの、今や気鋭のシェフとして都内で御活躍だとかで、こちらは機会を狙っているんだけど、当時はキャベツとレタスの違いも分からなかったぞと聞いて些か尻込み。

校内でも指折りの成績だったI君などは進学校から国立大、県庁へと何とも当人らしい順調な人生を歩んでいたらしいのだが、数年前に不祥事で懲戒免職になったとか。成績こそ劣らぬまでも当時から傲慢だった私も彼の日頃の姿勢に教わることも多く、あの性格を知るに何かよほどの事情があったとしか思えんけど、その後、消息が途絶えていると。

何かしらの負い目があると疎遠になりがち、されど、それを気にせぬのが机を並べた仲というものではないかと。

(平成29年8月16日/2371回)

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2017年8月12日 (土)

一景色

名だたる旧家ではないのだけれども御先祖様への墓参り位は...というよりも宿泊代に手間もかからず夏休みの家族旅行に好都合などという不純な動機にて郷里への帰省を終えた。

地方の移動には車が必須、界隈の名所は行き尽くしただけにこと近年は手前の長野県から車を借りていくことが大半。俳句の同人誌「さざなみ」の今月号に掲載された代表の挨拶に一景色について触れた部分があって、それは郷愁というか忘れ得ぬ景色を意味するらしく、同氏にとっての一景色は小諸懐古園の島崎藤村の詩碑のあるあたりだとか。千曲川に浅間山、風光明媚な信州の自然は見どころ満載。

新幹線の車内誌に目を通していたんだけれどもやはり花より団子、八珍果で有名な果物王国、山梨県を脅かす各地の台頭著しく。種と皮を克服した品種改良の技術はスゴい。ここ数年、シャインマスカットにやみつきなんだけど、ナガノパープルなんて品種を見つけちゃったもんだからこの秋はそちらに狙いを定めて...。まさに群雄割拠の戦国時代、巨峰がコシヒカリに重なった。

そう、本市に福島県産ブランド桃「ミスピーチ」が届いて試食した市長が称賛されていた記事を見かけたけど、負けじとおらが事務所にも福島県の菱沼農園から自慢の桃が届いた。生産者が手塩にかけて育てた作物をいただくのは何とも贅沢でそれが加工要せぬ果物とあっては...最高に旨かった。被災地の支援活動を続けておられたあむえこねっと代表のSさんからのものなんだけれども何かの縁がなければ巡り合わぬだけに。旬の味覚といえばこの御仁からも毎年おいしいりんごが届くんだけれども私などは選挙区外にて何か恩返しは出来ぬものかと。

内閣改造。県内からは異例の三名が入閣、進次郎氏が党の要職に起用され、ベテラン組ではわれらが田中和徳代議士が見送られる格好になった。当選回数、実績ともに申し分なく、貫禄十分にてその位しか理由が見当たらんのだけれども「地盤」「看板」「カバン」の三ナシの徒手空拳で上京し、無党派層が多数を占める都市部で連続当選を重ねた裏には人に言えぬ苦労もあったはず。

何か一つ事を成せば敵の恨みを買い、凹凸も生じる。それこそが仕事をしてきた証なんだけれども叩くことが目的化しちゃってる昨今の風潮下においては何の意味もないどころか逆効果。無菌室で育った子に免疫が備わるはずもなく、多少横道にそれたほうが人として健全に育つことが往々にしてある訳で巷の魔女狩りが過ぎては成長を阻害しかねず。今もなお不釣合とは思わなんだけれども当時は悪代官と呼んで憚らず、小言の一つでも覚悟していたんだけれども聞くにまんざらでもない様子にて...昔の話。

そう、悪代官といえばこちとら現職の中では群を抜く存在の大物。両者の国会における応酬が記事になったことがあって、頼んでもない切り抜きが机上に配布されていたのは相手への対抗意識か。書店でたまたま見かけた自称「ブサメン」政治家の回顧録、「亀井静香、天下御免!」を読んだ。著者の岸川真氏は日本映画学校の卒業だそうで。

(平成29年8月12日/2370回)

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2017年8月 8日 (火)

恐竜

水入らずの会話を交わした夜に最愛の妻が永久の旅路につかれたと聞いて、ありし日を偲びつつ、惜別の一句をそっと手帳に記した。輪廻転生、いつか迎える死。一般的に忌諱されがちな死と向き合うことで教わることは少なくない。虐待やイジメが横行する原因の一端もそのへんにあるのではないかと。今年も旧盆が近づいてきた。迎え火こそ炊けぬながらも御先祖様に想いを馳せる慣習を大切にしたいもの。

さて、小学生の頃は水泳部(しかも主将)だったもんだから午前中はプールで部活動、午後はそのまま海で...。ゆえに私にとって夏といえば海なんだけど、妻に言わせると夏は恐竜なんだそうで、確かに言われてみれば大恐竜展なんてのもやってるし、ジュラシックパークの再放映もあったりして星空観測に並ぶ夏の風物詩かも。大自然の神秘や太古の歴史に想いを馳せるのも一興だけど、それを制御しようとするのは高慢でいかに愚かなことか映画が教えてくれる。

大自然の猛威、相次ぐ各地の豪雨被害。中でも7月5日に九州北部地方を襲った豪雨災害は国の激甚指定を受けたばかりかその後の台風も重なり被害は深刻。街頭での救援募金活動には多くの方々から厚意が寄せられた。これまでに縁なくそちらの土地勘は薄いのだけれども福岡県朝倉市では当日の1時間雨量は過去最大となるほか例年7月の月平均をゆうに超える雨量をたった1日で記録。近年の集中豪雨の特徴は積乱雲が帯状に連なる線状降雨帯で今回も海面温度や梅雨前線等の複数の悪条件が重なりもたらされた、と分析されている。

報道によれば元々林業が盛んな地域にて土石流に含まれる流木が被害拡大の一因とされるも林野庁の調査では樹木の種類や間伐の有無による違いは見受けられず、森林の保水力の限度を超える記録的な雨量に加えて真砂土と呼ばれる砂質土が表層崩落が多発に繋がったと見かけたが、花崗岩が風化した砂状の地質は平成26年8月の広島土砂災害の被災地に同じ。

さて、本市。各地での記録的な雨量に相次ぐ被害を受けて、多摩川と鶴見川の洪水避難地図、いわゆる洪水ハザードマップなるものを改定。およそ200年に1回程度とされた想定雨量を1千年に1回程度へと見直しを図るとともに河川の氾濫による浸水想定地区を公表することで注意喚起を促すというもの。

それはそれで結構なのだけれども河川の氾濫に限らず身近なところでも局地的な集中豪雨に伴う冠水被害が見られ、そのたびに雨水管の径を太くする処置が施されるもおいそれと出来るものでもないばかりか対症療法にすぎず。雨水の地下浸透は自然の原理、地方では限度を超えた雨量に地盤が緩む構図だけれども、こと開発が進む都市部においては表層がアスファルトやコンクリートだったりするものだから道が河川化したりもして...。

そんな事態を回避する為に調整池や浸透ますなどが減災の緩衝役として期待されるも浸透ますなどは思うように普及が進まぬらしく、その原因はどこに、今後の対応はいかにすべきか。秋の決算審査特別委員会に向けてこの夏の自由研究はそれで。

(平成29年8月8日/2369回)

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2017年8月 4日 (金)

毒舌

壁に耳あり障子に目あり。早かれ遅かれそんな話が耳に届くのも時間の問題なんだから手柄話とばかりに吹聴せぬほうが身の為だったかも。将来を嘱望されたエースに挑むは名うて(と評判の)経営者。私が示した妥協案すら納得いかぬと徹底抗戦も辞さぬ覚悟にてその意向を市側に伝えれば「(センセイの)手を煩わせぬゆえ御安心を...」と更なる譲歩はせぬ旨の返答があった。

そもそもに幕下行司が結びの立合いに呼ばれたようなものでそのへんが混乱の元凶なんだけれどもそこまで自信満々に返されては仕方あるまいと相手方に結論のみ返事をして、なりゆきを静観していたんだけれども「センセイ絡みのあの事案は一言で片づけられたみたい」との風評。語り主の口調に「所詮はその程度のもの」とのニュアンスが含まれる。

火の無いところに煙は立たぬ、当たらずとも遠からずか。そうなると話が些か違ってくる訳でこちとら役所の事情を斟酌して緩衝役を買って出たつもりが「その程度」とあらば擁護する気も失せて...。相手の意に添わぬ結論の際はより微に入り細に入り対応せねばならんのだけれども知識に勝るエースも処世術には疎かったか。

さて、重い事案は片づけておいたから「あとはアンタでも...」とでも言いたげな前任者からバトンを受けた議会改革検討委員会の委員長。俎上に上がる議題は議会報告会について。開かれた議会といえば聞こえはいいが、それを名目に始まった委員会のネット中継。こないだなんかは私が委員長を仰せつかる議会運営委員会の中継がシステム不具合により一部流れなかったとかで報告を受けた際に興味本位で当日の視聴者数を聞いてみれば...ウン人だとか。

議会報告会とて政令市を含む各自治体の実績が公表されているものの参加者数は数十名がいいところ。集客の努力が足りぬというけれども様々な媒体での告知に全議員が街中にてビラ配布を実施、そんな涙ぐましい努力も報われず参加者数に然したる変化は見られなかったとか。となると手段よりも巷の耳目を集める内容こそ...。

やはり手元の資料だけでは判断出来ぬ。百聞は一見に如かず、現場の声を聴いてみるべしと視察が企画されるも本委員会に割かれた予算などあるはずもなく、県内にて実施している自治体を訪ねて現状と課題を伺った。あくまでも議会の報告会だから資料作成から当日の運営までは全て議員が担わねばならず、そのへんは根性論で克服するにせよ、個々の思想信条、主義主張はてんでばらばらな訳で自由な発言を許せば自己PRに余念なく勝手放題にて収拾がつかぬ。

議会として実施する以上は当然ながらそのへんに制約が課せられるのだけれども参加者からすればそれだけでは物足りぬ訳でやはり「あの道路はオレが予算を付けてやったんだ」との歯に衣着せぬ物言いがなくては。聞きたい話が聞けぬ参加者と言いたいことが言えぬ議員、そこにサボる手抜きの意図はないのだけれども議会なる看板が足かせとなり、双方に鬱憤が募る結果は何とも残念。

そう、確かに参加者数だけ見れば個々の報告会のほうが断然多く、それとて入場が拒まれるものでもないのだから毒舌の利いた独演会に取捨選択を有権者の皆様に委ねたほうが賢かったりもして...。

(平成29年8月4日/2368回)

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2017年7月31日 (月)

大師線

モノの価値は需要と供給により変動すると説いたアダム・スミス。神の見えざる手の比喩は言い得て妙で目から鱗の授業は今も記憶に残る。が、いまや事はそれほど単純ではないらしく、「自由市場は人間の弱みにつけ込む」と副題の付いた「不道徳な見えざる手」(ジョージ・A・アカロフ/ロバート・J・シラー共著)を読んでいて、この行動経済学の領域は多くの示唆を含んでいる。

ピーク時の遮断時間が40分以上が開かずの踏切とされていて、「何でこんなところに踏切が...」って恨み節が聞こえるけどそもそもそこに鉄道があった訳で後世の御都合が多分にあるのだけれどもさりとて手をこまねいている訳にも参らず。その代名詞が京急蒲田駅からの空港線。着手から11年の歳月で高架化が完了、最近は何かとこき下ろされる石原都政だけど目に見える道路整備は随分と進んだのではないか。

そんな厄介な踏切が本市にもあって、1時間あたり20分前後の遮断ながらも交通の要衝となるものだからそれに起因する渋滞は深刻で批判の矛先が向けられる本市。で、検討の結果、既存の鉄道を高架化又は地下化する連続立体交差事業なる手法を活用して打開することとなったものの、あくまでもそちらの都合でやる以上は当然ながら費用負担も...。が、さすがに不憫とのお上の沙汰かおよそ半分は国費が投入される仕組み。

京急川崎駅と小島新田駅を結ぶ全長5キロの京急大師線は川崎大師への参拝客も手伝ってか名物路線で前掲を含む15箇所の踏切を有する。その全長5キロのちょうど中間にあたる鈴木町で2つの区間に分割し、小島新田側から地下化を図るというもので、小島新田駅から東門前駅までのⅠ期①区間の完成が見えてきたことから東門前から鈴木町までのⅠ期②区間に着手するにあたりまちづくり委員会にて状況の報告を受けた。

Ⅰ期①区間で採用している直下工法(既存路線の真下を掘る工法)に対して、仮線工法(既存路線を仮移設した上で進める工法)を採用することにより300億円程度の縮減が図られるものの、Ⅰ期②区間の事業費は800億円が見込まれていて、①区間642億円と合わせれば2.5キロに1,400億円。つい、単純に地下鉄の建設キロ単価と比較してしまうんだけど、既存路線の移設となると工期も事業費も...。

さて、市外からの転入による税収増は誇張されても一向に改善の兆し見えぬ道路への不満。それでも例年多額を投じて用地買収にあたっているんだけど相手の都合もある上に一夜城という訳にも参らず。どことは言わぬが近所の道路などは「法的に」拡幅が示されていながら商店街と線路に挟まれていて手つかずのまま。一方の鉄道側は輸送力増強の為の複々線化が示されるも事業者の判断が下されず。

快速用の車線を上下一本づつ新規に地下化すれば用地買収や補償の費用や手間が生じぬも既存の線路と踏切、つまりは地上面は何ら変わらぬ上に単独でそれだけの投資に見合う便益が見込めるはずもなく。ならばいっそ鉄道は地下、道路は地上と大胆な決断を...と「陰ながら」当局には連続立体交差化を促しているのだけれども京急大師線、南武線の小杉以南が居並ぶ状況とあっては...。

新百合-あざみ野間は進んでおりますゆえ。こちらは移設を伴わぬだけに工期が早いのがせめてもの救いか。

(平成29年7月31日/2367回)

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2017年7月27日 (木)

夏の祭典

気鋭の音楽監督を迎えて2年、すこぶる評判がいいらしく。「復活」と名の付くグスタフ・マーラーの交響曲第2番。米国の実業家がこの曲に魅せられて指揮者に転向した話は有名だが、そちらの来日公演を含む過去の演奏の中でも今回が最高だったとか。

夏の祭典、フェスタ・サマーミューザが開幕。ジョナサン・ノット指揮によるオープニングはシェーンベルグとストラヴィンスキー。川崎市議会のマエストロことKセンセイ曰く、ストラヴィンスキーの「春の祭典」はピカソの「ゲルニカ」に通ずると意味深な評。

キュビズムや青の時代を抜けてピカソが辿り着いた美術の境地が「ゲルニカ」ならば、ロシア音楽はバレエ無くして語れず、ロシアバレエ団の創始者ディアギレフが起用したのが、若き日のストラヴィンスキーであって、その新時代を告げる前衛的な作品ということらしく。まぁもっと語ってもいいんだけれどもそりゃまた別な機会に...。

門戸は開いているから相手は選らばぬまでも予想を上回る数に二手に分かれて臨んだ各種団体の予算要望。「不在のアイツは隣の会場にいるはずだ」などと抱かせるもんだから、それをいいことに一人抜け、二人抜け、と目立つ欠員。少人数な上に願意叶わず、下々の話を聞いてやる的なぞんざいな態度にパー券の負担だけ負わされては見えぬ不満が募る...否、日々是選挙のセンセイ方ゆえぞんざいな態度の表現は過ぎたが、依然として敷居が高い御役所の壁。

ある団体によれば要望を持参したところ当該局はやる意向を示してくれたものの他局が難色を示していることから実現は困難との回答がなされているそうで、難色を示している他局にもこちらの話を聞いて欲しいのだが、ツテがある訳でもなく、仮に直訴するにせよ元請けの顔を潰すことになりかねやしまいかと。

が、所管が違うなんてのは役所側の勝手な言い分であって陳情主にとってはそんなことは関係ないのだから当事者の立場で応じてあげねば世の鬱憤は募るばかり。複数の部局が絡む案件は両者を呼んで必ず同じ場で協議させねばダメだぞと教わったのは新人の頃の話、ズルいヤツらなどは「意図的に」それをやらぬ口実に利用していることもあるから何なら私が口を利くからそちらに行かれてみてはどうかと御助言申し上げた。

少し前にそれほど近しい間柄でもないAさんが私の登庁表示を見かけて部屋に立ち寄って下さったんだけれども聞けば市への要望の「ついで」だそうで、私などもちょうど暇を持て余していたもんだから御一緒するよと当該局を訪ねれば全員起立の直立不動で...。

帰り際にAさんが教えて下さったのだけれども例年であれば女人禁制の土俵が如く部外者を寄せ付けぬ雰囲気に通路で一番手前の担当に事情を説明しておよそ代理に受理いただくのが慣例だったそうで、その豹変ぶりに驚きを隠せぬ様子。本来それではいかんのだけれども私にもまだ多少の賞味期限が残されているようで...。

(平成29年7月27日/2366回)

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2017年7月23日 (日)

恋愛モノ

時たまの「早め」帰宅がそこに重なるNHKの「100分de名著」。1回25分の全4回で世界の名著を解説。あらすじとその作品の魅力が上手く紹介されていて。

海外文学といえば歴史モノは三国志、推理モノはシャーロック・ホームズ、文豪モノはドエトエフスキーをかじった程度にて恋愛モノなんてのは...。名すら知らなんだが、妻曰く、ジェーン・オースティンの「高慢と偏見」は英文科の必読とか。政治も恋愛に同じ、人の機微に疎くては成就せぬ訳で。

某所でこんな愚痴を聞いた。知人から公営住宅の入居を頼まれた当人、御当地のおらがセンセイに頼みに行ったんだけど「それは順序になっているから如何ともしがたく御意向に添いかねる」との返事。確かにこんな御時世にあってはそれが正論であってその一例を以て直ちに他に寝返るなどというものでもないのだけれどももう少し何かないものか、まぁその実直さが彼の彼たる所以なんだけれども...と。

来年度の予算編成に向けた協議が連日続くも業界団体からの要望には依然として入札制度に関するものが少なくない。下落の一途を辿る価格競争に別な尺度を入れて貰わねばかなわぬとの悲鳴。下駄を履けば履いたでその実効性には雲泥の差がありながらも下駄の高さが同じではないかとの不満。下剋上とばかりに相手のシマに参入する仁義なき戦いの根底には予算削減に伴うパイの縮小がある訳で、例年同じ役所の回答にセンセイなんてものは...とこちらの存在意義すら問われかねず。

当人の利益が相手の不利益に繋がる、逆もまた然りで、利益が相反するのが入札制度の宿命。彼らとて従業員の生活を背負う一国一城の主なのだから利益誘導と言われようとも自らに有利にモノを申すのは当然、一方の役所側とてそのへんの事情はよく知るだけに余計な波風は立てぬに限ると難癖付けて現状維持を図ろうとする訳で...。

その諸々の利害調整こそ我らの出番ではないかと肘肩回して臨んでいたんだけれども、ある団体曰く、どこぞの契約が慣例的に不自然であってその是正を求めているものの、一向に改善の兆しなく理由を聞けば行政側がバッチの関与をほのめかしたとか。「おい、余計なことは言わんでよろしい」と憤慨してみても身に覚えが無い訳でもなく良心の呵責に苛まれる日々。

まぁそんな利害調整といえばこちらも同じ。近隣の宅地開発を巡る陳情の審査。居住権を侵害されるとなると過敏になるのも当然であって、こじれる関係の改善を目的に両者の調整を図るべく条例があるんだけれども違法とあっては許可が下りぬからその範囲内で申請される訳でそこから更なる譲歩をとなるとさすがに...。

で、そのへんが不調になると議長宛に陳情が提出されて、まちづくり委員会で審査がされるんだけれどもそこまでいけば既に相当こじれている上に委員長とあっては双方から脅かされることがない訳でもなく。別に特別な手当を貰っている訳ではないから何とも損な役回りなんだけれども開発における近隣への配慮は委員長として求めておりますゆえ。

(平成29年7月23日/2365回)

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2017年7月19日 (水)

あぐりっこ

よほどのことが無い限りは...と聞いていたもんだから特に摂生することなくあれから一ヶ月が経過したんだけれど不思議と減量したままの体重が維持されていて、こりゃ意外と好都合かも。やはり食欲旺盛というのは健康の証、こと最近などはおらが部屋にも不格好な野菜が届き、昼食時に振る舞われたりもするんだけれども巷に負けず健康への意識が高いもんだからこれが意外と好評にて。

この春に都市農業の振興を目指す議連が発足して、不肖私が「副」会長を仰せつかることになった。人選においては当該分野の見識に加えて、経験というか期数、それに何よりもわれらが農協との親和性等々が加味されて、いづれも「乙」評価の私などはそのへんが妥当とのことらしく慣れぬ役職に下のいうまま従っているんだけど、まずは自ら畑を耕し作付を、と農協の関連会社が営む貸し農園を賃借することになったとか。

1区画で年間8万円、月額にすればおよそ6千円であって、更に人数割にすれば然したる金額でもないはずなのだが、日頃は烏龍茶一杯に1万円の会費を払う面々もそのへんにはシブいらしく、部屋の了承を取り付けるのには随分と骨が折れた。で、その代償というか成果として事務局長のOセンセイが早朝に収穫した野菜を届けて下さるのだけれども市販のものに比べれば...。やはり旨いものにはそれだけの理由がある訳で何も慣れぬ鍬を取らずとも農家が手塩にかけて丹念に育てた野菜を消費者としてケチらずに購買することとて立派な貢献ではないかと思ってもみたり。

さて、芽時枯れ時は情緒不安定にて件数多しとは聞くものの、最寄の私鉄沿線における人身事故が続き、そのたびに泣かされることが少なくない。他の沿線との件数比較を求めれば抜きん出ていてその対策として駅構内におけるホームドアの整備を求めたんだけれども乗降客10万人以上を目安に進めるということらしく。

確かに確率的にはそうかもしれぬが、ホーム転落事故の中には当人の不注意や不慮の事故以外に自己都合、つまりは自殺というのが含まれる訳で。となると乗降客数の多い駅以上に通過駅などが狙われやすく。最愛の人を失った御遺族の悲しみはそれとして、自殺の中でも飛び込みとなると他のものに比べて怨念という動機が小さくない。

最近読んだ一冊に「人質の経済学(ロレッタ・ナポリオーニ著/村井章子訳)」があって、その国の悲劇や実態を伝えたい、彼らを助けたい、という本人たちの純粋な想いとは裏腹に相手にとっては動く身代金、絶好のカモでしかなく、当人が伝えたかったもの以上にその誘拐された事実や残忍性だけが勝手に大々的に報じられるものだから相手を利するに十分。

前よりも衝撃的なニュースを求めてやまず、出来るだけ経費をかけずに材料を入手しようとする姿勢が誘拐と人質の殺害になにがしかの責任があることを自覚すべき、とあったけれども、こと最近は自己都合を兼ねた演出も少なくない。意図的なものだから絡む相手が著名であればあるほど、発言が過激であれば過激であるほど当事者には好都合な訳で。自然と目にするその手の話題は耳障りのいいものではない。

(平成29年7月19日/2364回)

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2017年7月15日 (土)

学徒兵

季語は父の日。「父の日や父ともなれず学徒兵」と詠んだY子さんが「本丸を囲む樹木や夏の空」という句を天賞に選んだ。これすごくいいですと。雷鳴轟く夕立がその目印だったりもするんだけど夏近しか。詠み人?そりゃ勿論私しかおらんでしょうに...。

俳句講座の案内とともに「夏休み親子教室」と銘打たれた案内が届いた。主催は麻生区文化協会。興味深い講座がズラリと並ぶも地元の名講師が子どもたちの夏休みの体験を手伝ってくれるとあっては保護者にとって大助かり。

さて、ある件を巡って目下、水面下で暗躍中なんだけれども依頼主によればお上から少し前に届いた通知は市の新たな規則を伝えるものにてその内容が従前に比べて随分と過ぎてやいまいかと。そう、規則ってのは条例の下位になるものだからその改正に議決は不要。議会軽視でセンセイ方の知らぬところで勝手放題やられているのではないかなどとハッパをかけられて直談判に及んだ。

その言い分は分からんでもないけれども、別に意図的に隠したものでもなく、然るべき根拠があって定めたものゆえ再度改正するにせよしばし猶予を...と当事者。「しばし」などといってもそりゃ役所用語の「検討」に同じ、やらぬ口実を与えるようなもんだからと釘を刺せば、その間は個別対応にて「センセイの御意向に添えるように...」とでも言いたげなフリなのだけれども括弧内はこちらの勝手な解釈。

まぁそのへんでどうかと依頼主に返答をしたのだけれどもそれでは昔の自民党と同じではないかと。つまりはセンセイの口利きのあるなしで不平等が生じることが利権に繋がると御説ご尤。さりとて、それで私腹を肥やすものでもなく双方立てる玉虫色の折衷案にまぁ「とりあえずは」そんなもんではなかろうかと思わぬでもないのだけれども世の価値観は多様にて。

そう、どこぞの研修でも「これまでの議員は呼びつけて怒鳴りつけてばかりいたので職員は辟易している」とそれが自民党であるかのように結びつける印象操作。まぁそこを悪に仕立てれば何かと好都合って下心があるんだろうけどまさにどこぞの依頼主が如く玉虫色の折衷案こそが本領であって、怒鳴りつけるなんて下品なのは...あっ、いた。

予め断っておくけれどもこちとら本人との面識は全くない訳でそれだけ聞けば人間性を疑ってみたくもなるんだけれども部下の失態を見れば常識を「著しく」欠くものであるばかりか、自らの盗聴器に二の矢三の矢を放つとあっては横暴な主の理不尽な扱いに一矢報いるとか主の将来を憂う、被害者意識以上に別な意図が勝ってやいまいか。ましてやその絶妙なタイミングを見るに、陰の黒幕に用意周到に御膳立てされた陰謀ではなかったかと勘繰ってみたくも。

絶えぬ秘書の背信行為。寝首をかく事例は枚挙に暇なく、事務所のPC持ち逃げなども立派な犯罪行為な訳で不正を暴こうという正義感以上に相手を辱めてやろうとか自らの功名の踏み台にという下心が過ぎては何とも寂しい。出る杭を打つ、他人様の足をひっぱる風潮は社会の成長を阻害する。

(平成29年7月15日/2363回)

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2017年7月11日 (火)

道具

日本を代表する企業の工場誘致ともなれば経済効果は測り知れぬ。候補は二つ、片や立派な料亭で知事や市長の出迎え付きの大宴会、もう一方は渋茶一杯とおしぼりのみの応対に名経営者の判断は...。一代であれだけの企業を作り上げた手腕は幸之助翁と並ぶ昭和の双璧。会社の大小、業績云々以上に多くの日本人に夢を与えた功績、未だ遺伝子が根付く企業風土に語り継がれる逸話の数々。

そんな名経営者が還暦を過ぎて夢中になったのがこちら。「以前はあれほど忌み嫌っていたものを...」と部下がこぼせば「時代が違う」とワンマンぶり。確かに金銭的な支出は決して小さくないとはいえ何かと槍玉に上げられるのは些か不憫な気がしないでもなく。同氏のホームは低料金の河川敷だったと本に読んだ。

そこまでの時間的余裕に金銭的な支出、いや、それ以上に洗濯物が増えるとあっては眉つり上がる細君。そんな下々の事情も知らぬ御大尽に「明日はどうかね?」と聞かれて返事に窮することしばしば。歴こそ議員歴に同じなれど、回数は年間に片手程度。現職時代から週2回は欠かさなかった前任者からゴルフが上達せねば仕事は出来んと道具までいただいてしまったものの、まさに時代どころか身分まで違うのだから。

得意種目こそ水泳なれど運動神経とて他に劣るものでもなく、全般に人並み以上にソツなくこなせるはずがこちらだけはなぜか歴と回数と腕の上達が「全く」比例せず。およそ御伴のはずがそこまでの腕もなく、尚且つ、遅延行為は前後に失礼。何本かを持っては走り、打っては走るようなほんとみっともない行為の連続なんだけれども私の腕前は地元でも広く知られたところにて。

上達せぬ上に御大尽の御伴とあっては安からぬ料金にすり減る神経...でもないナ。そんな悪循環を見かねてか地元のTさんが御一緒にどうかと誘ってくれた。そんな支援者がいて下さるってのは何よりもの宝、低料金の代償は片道3時間ながらも不名誉な評判を覆すべく早朝5時に起床して...。

が、やはりパッとせぬスコアにモノが合わないのではないかと同氏。それも御大尽が実際に使用しておられたものだから当然のことながら高価であって高価な道具ほど「いい」道具なんて先入観も手伝ってかケチのつけようもなく、野球とてバットを選ばぬ器用さ位はあるから道具よりもまずは腕が原因と「ず~っと」思い悩んでいたんだけれどもさすがにここまで深刻となると完全撤退か起死回生の一手か。

ということで店を訪ねて事情を話せば、「この道具は上級者用にて御客様には...」と。で、実際に何本か、というよりも何本「も」試打してみたんだけれどもその真摯な対応に納得の解説。が、何よりも押しつけがましくない姿勢に店員が大学時代の親友に似ていたことが最終的な決め手となった。

世の中、物事の動機は不純で、きっかけは些細なことが往々。後援会のゴルフ大会が迫るも100キロ走破の次なる目標は...。

(平成29年7月11日/2362回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

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