なおログ[Blog]

2018年9月15日 (土)

善意

閑古鳥の店内、不意に訪れた客に続いてもう一人。ひょっとして私も「もってる」のではないかと思わんでもなく、後ろに列が出来て。その日が最終日にて在庫処分の詰め放題。が、「放題」なんてのは欲を試されとるようでどうも好かん。

袋こそ手渡されたものの必死に詰め込む御年配の主婦を横目に四個もあれば十分と申し上げれば半値で結構と相手。いやいや、それはこちらの勝手な都合であってそれでは元すら取れぬ、商売なのだから損はイカンと譲らぬ相手に中間にて折り合いが付いた。隣村の名産「多摩川梨」の露店商におけるひとコマ。

さて、会派の代表質問を終えた。豪雨に台風ばかりか酷暑に地震とよくもそれだけ押し寄せるもので、そんなことから災害時への備えに関するものが少なくなかった。まずは小中学校における冷房設備。あれだけ話題に上がったのだから多少は改善に向けて進むかと思いきや...。既に普通教室はほぼ全校に完備され、残るは特別教室と...こちら。

体育館なんぞは災害時の避難場所となる訳で気になる今後の対応を聞けば特別な事情により既に設置されている三校以外は「具体的な予定はない」なんて答弁が返ってくるもんだからそんなつれない答弁あるかって。方や今夏の教訓を聞かれた隣の危機管理監が夏場は衛生環境の維持などの対策が重要であって、本市においても熱中症対策に配慮して体育館「以外の」冷房が使用できる場所を避難所として開設したなんて答弁しとるんだよ。

避難したはいいけれど熱中症で搬送されたとあっては笑うに笑えぬ、冷房なくば意欲失せて避難所の意味すら...。必要性は認識するも財源が...なんてのであればまだしも検討の余地すら無いかの如く居直られては看過出来ぬ。この夏の教訓や庁内で全く意思疎通が図れとらんではないかと苦言を呈した。

まぁ一抹の同情を寄せるとすれば危機管理部門は口を挟むだけで財源を用意せねばならぬ当事者の身になってみよとの恨み節は分らんでもないけど、それにしても「つれない」。

で、もう一つはブロック塀。大阪市内の事故を受けて市内の公の施設の危険個所の改善進む。通学路に隣接するTさんなどは万が一にも自らの塀が倒壊して通行人に怪我を負わせたらと他人事ではない様子。それが心配の種で夜も眠れぬと事故の数日後に御相談をいただいた。それまでも助成制度はあったんだけど撤去後は生垣が前提だったり、道路用地の提供を求められたりと使い勝手悪く。日々の悩みは金銭に代えれぬ、児童生徒の通らぬ夏季休暇を利用して...全額自腹でやっちゃった。

このたびの事故発生を受けて民間のブロック塀についても撤去を前提に工事費の一定額を市が助成する新たな制度が創設されることになったんだけど、開始時期については補正予算の議決後だとか。助成があるなら...との呼び水的効果は見込めるもやはり助成なくとも自主的に実施された方々への救済があってもバチは当たらんのではないか。と、同時に申請時の手続きが煩雑とあっては利用進まぬ。

手続きの簡素化と過去に遡及した措置を講ずるべしと市に迫ればさすがに明言こそ避けたものの「含み」ある答弁にて。見返り求めぬ方々の善意こそ報われねばと。

(平成30年9月15日/2453回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月10日 (月)

字幕

何故にそこだけとヘンな思想的背景を勘繰ってみたりもするのだけれども、さりげなく付される修辞句に不快な想いを抱かされる方も少なくないとか。犯行に及ぶ動機は三つ、怨念...以外の二つは忘れてしまったが、およそそのへんで事足りる、というか「昔は」足りた、と何かの本で読んだ。

忌まわしく言語に絶する憤りを覚えるあの事件から二年。精神鑑定に下された診断結果は「自己愛性パーソナリティ障害」。障害者が「障害者はいなくなればいい」と殺傷事件に及んだ「だけ」と結論付けられてはかなわぬ、犯人が優生思想に至った深淵に迫らねば根源的な解決にはならんとの会長の一文が表紙を飾る会報、その数頁後にNさん投稿を見つけた。

当時、御令嬢の件で奔走すれど制度の壁に阻まれて願意叶わず、以降、毎年届く年賀状を楽しみにしていたのだけれども数年前に音信途絶え。会の研修に参加された様子記され、母子ともに御元気そうで何より。肢体不自由児者父母の会の総会に出席させていただいた。

字幕は高い識字率に語彙豊富な言語に恵まれたわが国固有の考案。手話は限界にて字幕の即時表示、聴覚障害者の方々への配慮にて検討進む自動音声認識ソフト実演の立会に応じた。人工知能といえども所詮は...そんな先入観が見事に覆される瞬間。早口に桁かさむ数字変換もいともたやすく。

芸術の秋、久々にシベリウスの交響曲第2番を聴いた。いかに人工知能が革新を遂げたとしても感動は生演奏に及ばぬ。楽譜、つまりは作曲家と対峙するに通訳に介在する指揮者と演奏者の存在、当時など録音すらかなわぬも今やボタン一つで気軽に聴ける過去の名曲、研究し尽くされ、自在な作曲が可能だというのに未だ当時を超越する作品が生まれぬのは当時の作曲家の情熱に負う面が大にしてそれもまた音楽の魅力ってもんなんだろうけど。

およそ本市には似つかわぬと卑下されたホールも今や押しも押されもせぬ地位を確立。ほれ見たことかの皮肉混じった質問原稿を拝見した。こけら落としから十年、東日本大震災による天井崩落の苦難の時を経て次なる十年をいかに描くか、市内在住の若手音楽家とそのへんの雑談を交わすのだけれども、現在、国内のプロオケの楽団員数は二千名、それに毎年の音大の卒業生が数百名とあっては供給過多。

それが業界の宿命なれど技術とは別な理由で断念せざるを得ない方々を在野に埋もれさせては大きな損失。一方でプロに劣らぬ才能有しつつも休眠中や慈善的活動を欲する演奏家が市内及び近郊に少なくないとか。給料を保証する市立楽団の創設なんてのは無謀な挑戦にせよ彼らが求めるは金銭ならぬ機会の創出。一流のホールに音大の立地と好条件が揃い、折角の資源を活用しない手はないと入れ知恵をいただいた。

目に見えぬ価値への評価厳しく、問われる補助金の妥当性。殺伐たる現代社会において豊かな情報を育む社会的意義は容認しつつも、権威はびこる独特の世界にて「門外漢に何が分かる、(補助金は)あって当然」と踏ん反り返られては見放されるがオチであって忍び寄るそのへんの足音に気付いているか。音楽のまち第二幕へ。

(平成30年9月10日/2452回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年9月 5日 (水)

四割

手が滑った訳でも衝撃を受けた訳でもないのに突然の故障。うんともすんとも言わず...おい、反応しろよ。契約期間内にて「無償」対応。そこまでは是とするも現物交換にて代替品などあるはずもなく、一週間も取り上げられたのではかなわん。安からぬ利用料を払ってとるのだからそんな冷酷な仕打ちがあるかっと憤慨してみても「そうなっておりますゆえ」などと真顔で言われると反論に困り。

他社製に移行しようにもアドレス変更の手間に手続きが煩雑とあっては重い腰上がらず。いっそ新品に機種変したほうがスグに利用出来ますし、契約期間内にて違約金というか分割払いの端末代の一部が上乗せになりますが、それも来月以降の分割になりますので月々の支払金額は...。巧妙に手を施された料金体系と端末の故障は会社の陰謀ではないのかと思えんでもなく。

方や、使い続けて五年間、「寿命です」と店員。紛失した相手の連絡先など必要とあらば向こうから来るはず、と悠長にその程度の利用しかないのだけれども示された料金プラン。そこに限らず後払いの概念知らぬ妻、月々の請求は利用料だけで結構と提示された前払い代金は十万円。バカらしいと二つ折り機種、いわゆるガラケーにしたと聞いた。

寡占に風穴を開けるとの狼煙も参入実現すれば寄らば大樹の陰と結ばれる秘密協定。民間企業の利益に手を突っ込むのは越権行為と言われても電波は国民の財産。時の官房長官よくぞ言及された。従来の経済学に成り立つ均衡、されどそこに「情報」が絡んだとすれば...。情報の非対称性なる概念を持ち込んだのはノーベル経済学賞のスティグリッツ博士。両者の知識格差をいいことに好き勝手やられたのではかなわん。

難治がんを標的化し駆逐出来るナノマシンにアルツハイマー病等の脳神経疾患の革新的治療技術など垂涎の言葉が並ぶ。市がハコを用意して研究者を呼び込み、その集積から夢の発明へ...と描かれる壮大な構想。既に国の研究資金が投入されているのだけれども、それだけでは折角の有望な研究も他に後れを取ってしまう、更なる追加投資があれば世間を唸らせる発明が本市から、と注目される臨海部。

わざわざカタカナにせんでもよかろうにと思わんでもないのだけれども「アンダー・ザ・ルーフ」、日本語に訳せば「一つ屋根の下」がキーワードになるのだそうで示されるハコの入居率。一定の収益を得る為には投資が必要、されどそこには不確実性、いわゆるリスクが付きまとうってのは常識なんだけど、そんな理屈が通らぬというか慎重なあちらの面々から当然の物言いが付いた。

じっと耳を立てて聞き入るAセンセイがつぶやいた。それだけのモノであれば向こうから群がる訳で将来性あれば公の補助金に依存せずとも投資会社が参入して...。入らぬってことはその狼煙は眉唾?ではないのだろうけどそのへんが見えぬもどかしさ。まぁ彼らは最小のリスクで最大の利益を狙う狡猾なヤツらだからその隙を狙っとるんだろうけど、そこが見えれば本市だって...税金です、ハイ。

(平成30年9月5日/2451回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年8月31日 (金)

孫娘

秋季リーグ戦とはいえども炎天下の開幕式。耐えかねぬのは私ばかりではないらしく詠んだ一句「舞ひ込みし蝉の珍客残暑かな」は季重ね也。

六年生には最後の大会、見事に選手宣誓の座を射止めたY君は息子の園児時代の級友であって進んだ小学校こそ別なれど坊主頭にまっ黒に日焼けした肌が夏の成果を物語る。そんな晴れ舞台を客席からじっと見守る二人は両親ならぬ祖父母。帰り際に声をかければソレだけを見に来たんだそうで。やっぱり子以上に孫は特別なものらしく。

さて、市への御意見箱「市長への手紙」は知られたところだけど、議会宛にも知る人ぞ知る御意見箱があって。そもそもにセンセイそのものが市の御意見番である上に寄せられる御意見なんてのは大半が苦情の類。匿名制の返信「なし」の制度設計とあってはまさに「聞きおく」目安箱の役割しか果たし得ず。が、そんな御意見箱に私に関する投稿が寄せられたとかで当局の事情聴取に応じることになった。

投稿によれば私が市の職員採用の口利きをしていて、年金「すら」(文中ママ)払っていない二十代女性Mさんを市に入社させるとかで、そんなことが世間的に許されていいのかと。何やら不正に加担する悪の権化が如く記された投稿を市の担当に見せられて白旗を上げた、というか釈明に追われた。

そもそもの発端は当人の祖父母の介護にまつわる相談から。認知症の症状が著しく悪化したことから施設入居への目途を立てて一件落着を見たのだけれども暫くぶりに連絡があって用件を聞けば娘の年金未納の督促が届いたとか。保険料の納付は当然の義務にてもみ消しなんてのは言語道断、一括返済が困難ならば分割でもいいから必ず納付するようにと御助言を申し上げつつも、何故にそんな状況に陥ったのかと聞けば、数年前に会社を退職して以降は劇団員を目指しつつアルバイトで生計を立てているとか。

とすれば仮にこれが済んでも早晩行き詰るのは明らかで夢を叶えたいとの心中は分らんでもないけど少なくとも派遣かパート位でなければ。そのへん親子なのだから諭せんものかと申し上げれば前回の退職理由が祖父母の介護、つまりは当人夫婦が共働きの状況にて孫娘にその役割を頼んだ、というか押しつけてしまった罪悪感から言いにくい御様子。で、あるならば生じた未納分位は親が立て替えてとフツーに思うのだけれどもそのへんの反応も鈍く...ほんと親子かね。

で、そんな状況を見かねて、つい「私が...」って。働く意欲を失っては堕落の一途を辿るのみであって、市の関係で就職斡旋もあれば産休育休の臨時雇用位はあるやもしれず。さすがに世帯分離した上で生活保護の申請をなんて言えんでしょうに。日中に居間でごろ寝されたのではかなわんとの家の事情も絡んでか退職後の再雇用の相談は日常茶飯事であるし、つい最近も都内在住の聴覚障害者の方から就職の相談を受けたばかり。

今や服務規律厳しく縁故採用は御法度なれど人材登録などは可能な訳で見知らぬ人物を登用するよりもセンセイの紹介のほうが身元保証人というか信頼が置けたりもするからかえって好都合だったりも。そんな依頼が寄せられるのも人気の証左ではないかと悪びれる様子なく。でも、なんでそんな「極秘」情報が他人から寄せられるのか。壁に耳あり障子に目あり、嫉妬心にはくれぐれも御用心を。

(平成30年8月31日/2450回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年8月25日 (土)

金足

普通科に入れぬゆえそちらに「でも」、偏差値及ばずとも腕っぷし「だけ」は...。そんな志望動機を有する不良連中の脱獄、いや、脱走を意識してか広い敷地を囲むように作られた塀。が、高さ一米だから余裕なんだと語るK本県議の母校は創立百年を誇る「だいのう」こと大曲農業高校。そんな国自慢を聞きながらその目鼻先にある市役所を訪ねたのは数年間。都会と違って塾の代わりが野山なれど子供たちの学力水準だけは他に劣らぬと語られた教育長の言葉が脳裏に浮かぶ。

ズラリと並ぶ県外出身者を見れば都道府県代表というよりも別な狙いがあるやに見えなくもなく、選手側とて上位争いが熾烈な県内の強豪校よりも県外とて常連校のほうが夢叶いやすく。そんな精鋭集団を相手に決して偏差値高いといえぬ公立の農業高校が一世紀ぶりの快挙を見せた。鳴りやまぬ称賛の嵐に優勝校がかすんで見えなくもないが、エースの希望球団はやはり...。

あれだけのスター選手を抱える球団の順位を見ればやはりどこかで狂いが生じる訳で。自らに重なってかその三文字が余計に目についてしまうのだけれども若かりし頃に一世を風靡した選手たちのその後を描いた一冊「俺たちの『戦力外通告』(高森勇旗著)」に学ぶことは少なくなく。

揺れるスポーツ界。海外遠征時の不適切な行為を指摘されて選手数名に処分が下されたと聞いた。公序良俗に照らせば不純に違いなく、弁明の余地もないけれど相手とて商売、対価を払って行為に及んだのだから何もそこまで目くじらを立てずとも...いやいや規律が保てぬ。さすがに公式着で歓楽街は軽率にてよもやモテると思って出没した訳ではあるまいなどとくだらんことを勘繰りつつ、「代表」の文字がなければ、つまりは私服であればどうだったか...なんて。

が、仮にその年齢、その状況下において自らであればどうか。勝利の余韻に非日常の開放感、仲間の誘いに判断鈍らせる酒、で、こちとら煩悩のカタマリのようなもんだから共犯か幇助、いや、主犯格?まぁ犯罪ではないから言葉が不適切ながら似たような選択に及んでいたのではないかと懺悔してみるのだけれども貴殿とて自らに限ってそんなことは絶対にあるまいと断言できるか。誰しもに失態はある訳で人を殺めた訳ではあるまいにその一事を以て前途ある若者の未来を奪っては不憫過ぎやしまいかと情状酌量を願いつつ。

そう、少し前のあの御仁とて根からの悪人には見えんのは眼力の無さか。そりゃ役職の宿命にてやむなきも、むしろ腰巾着が如く群がり当人の地位を利用して悪事を重ね、表沙汰になるや否やトンズラするほうがワルではないか。そもそもに何でもかんでも徹底的に叩く風潮は死者に鞭打つようでどうも好かん。何よりも陰湿なイメジを助長するようで教育上も好ましくないのではないかと必要悪を正当化してみたりもするのだけれども、んな輩は政治家の風上に置けんナ。

地元の支援者Y君に「おい、偽善者」などと呼ばれたりもして(支援者ぢゃないナ)、それはそれで何ら恥ずべきものではないのだけれども悪人と揶揄されるよりも善人然とした悪人こそ...。

(平成30年8月25日/2449回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年8月20日 (月)

伊那

自らは棚に上げて御当地の方々には大変失礼な物言いながら「伊那なんて...」と確かに母が言った、というか言っていた。長野県を拠点とする銀行マンだった父の異動が近づくたびに必ず登場する地名。

南北に長く急峻な山々が連なる長野県。太古よりの地殻変動、プレート移動による衝突に生じた隆起は中央構造線、いわゆるフォッサマグナとして大自然の歴史を物語る。南アルプスと中央アルプスに挟まれた天竜川沿いに生まれた集落。辺境の地で寂れかけていた温泉街が復活の兆しを見せているとか。美しい星空は過疎と標高の産物であってそれを逆手に取った作戦が奏功。そんな陸の孤島にリニア新駅が予定されているそうで今回の舞台はそんな南信州下「伊那」郡の一つの町。

発酵と干物は日本の食文化の魅力の一つにて渋柿とて干せば甘くなる不思議。そんな干し柿の代名詞、市田柿の発祥の地、そう、元々は市田村だったそうだけど町村合併で高森町に。御当地の名物は何とも見事な柿すだれ。で、柿といえばだまっちゃいないのがおらがまち。地元の柿好きが御当地に目を付けた。見れば「柿丸くん」などとどこかで聞いたゆるキャラまでいるではないか。ちなみにおらがゆるキャラも「かきまるくん」にて表記の違いのみ。

突然の電話に著作権侵害で訴えられるのではないかと動揺したと笑って話す担当者。そんなゆるキャラのコラボで始まった草の根交流。それが今やおらが区の映画大のロケ地となり御当地を舞台に手がけたドキュメンタリーが好評であるばかりか地元の音大の夏の合宿地にこちらが選ばれたとかで、ならば私も...違うナ。間隙を縫って現地を訪ねればアポなしにも関らずそのまま市長室に通されて...御当地自慢に耳をかたむけた。

御大といえばあの人物を連想してしまうのだけれども語彙の由来は御大尽ならぬ御大将。世間的には御大といえばこの人なのだそうで当人の出生地である御当地には「御大の館」なんてのがあって名こそ知るわが母校の名監督の所縁の品々に功績が紹介されていて、その来歴には「退学」やら「土下座」やら物騒な文言が並ぶ。そんな本人が説いた「人間力」を刻んだ碑が館の前にあった。島岡イズムに学んだ教え子は闘将はじめ数知れず、御大を慕う現役の野球部員が今もこちらで合宿を続けているとか。

そう、そんな御当地には果樹農家が多く、ふるさと納税の返礼品に好評と聞いた。さくらんぼに桃、なし、ぶどうにりんご、干し柿と続く。中でもさくらんぼとりんごは他に勝る絶品だとか。さりとて、昨今などは食うに手間かからぬ果樹が人気にてその筆頭がシャインマスカットなんだろうけど、巨峰系も負けちゃいない。種無し巨峰も皮剥く手間あり、やはり皮無しのこちらの品種に限る。そんな命名をされたのでは他県に広がらんではないかと余計な心配をしてみたくもなるんだけど、流通量が少ないことが価値を高めていたりもして。地元農家イチオシ、直売所で手にした黒紫のナガノパープルが抜群に旨かった。

(平成30年8月20日/2448回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年8月15日 (水)

盆玉

何処の馬の骨とも分からぬ相手の話を聞くは徒労にて門前払いが関の山。が、センセイの紹介とあらば無碍には出来ぬ、請われて口利きというか市への売込みの片棒を担ぐことになった。無論、謝礼は求めぬ、というかそもそもに向こうにその気なく。依頼主は前職時代の知人。よもや私の顔に泥を塗るまいが、内容位は知らねば...と聞けば今流行りの人工知能を活用した業務効率化にて働き方改革に資するとか。

ふむふむ、「まずは私が聞こうか」-「いや、貴殿は結構」とにべもなく。おい、そもそもに業務効率化なんてのは既存の仕事を奪う訳で敵方の抵抗は必死。ならばそれを監督するセンセイがその気にならずして役人を説得できるかと思わんでもないのだが、悲しいかなそこは期待されておらぬ様子。まぁそもそもに流行に無頓着な上にカタカナの羅列では話通じず、余計な節介は焼かずに限る...でもないか。

さて、母の達筆が過ぎて「盆」が「金」に見えてしまう煩悩を悔いつつ、昨今は正月の年玉ならぬ盆玉などという油断ならぬ慣習が根付きつつあるとかで、盆玉を孫の懐に郷里への帰省を終えた。積善の家に余慶あり、今あるは御先祖様の功徳の賜物。されど、今や墓参りなど口実に過ぎず、狙いは別にあったりもして...。

ということで田舎では同級会が企画されることも少なくない。盆に帰るは亭主側の実家であって嫁いだオンナの都合を無視した暴挙だなどと攻め立てられて、中学時代のソレは秋の連休に「した」というか正確には「させられた」のだけれども何も同級会は中学時代に限った話ではなく。高校の卒業以来、二十数年ぶりの再会の際にこの夏は地元で同級生を囲んでと勢いそのままに開催を指示しておいたはずなのだけれども...おい、これっぽっちか。

たとえ如何なる境遇にあろうとも机を並べて青春を謳歌した当時の思い出は変わらず、出席者の少なさを嘆けばそれは当人の勝手な解釈であって慢心以外の何物でもないと恐妻。私の地元は副都心のようなもので市内ではそれなりに栄えてはいるのだけれども高校のソレとなると市の中心地まで移動せねばならず、運賃こそ首都圏に変わらずも本数は毎時一本にて。言い出しっぺゆえ遅刻は失礼、こちらの都合を考慮せぬ相手の機転の無さを嘆きつつも早め到着にのどしめしと入ったビストロのシャルドネが旨かった。

まぁおかげで本番はすっかり饒舌にて参加者には随分喜んでいただいたはずなのだけれども尽きぬ話題にもう一軒と。いや、折角の誘いながら今回の帰省は家族連れにて実家を不在にしては嫁姑の紛争が生じぬとも限らぬし、何よりも子が父の帰りを待っていると固辞すればオマエに限ってんな訳なかろうにだって。

小中の同級生のS谷が自らの苗字を冠した本格的なバーを開店したと聞いて機会を狙っていたのだけれども泥酔の悪童悪女が一緒では他の客に迷惑。いや、向こうが堂々と入って行っちゃったよ。私が水泳部の主将ならばヤツは剣道部の主将でね、当時から何かと近い仲だったのだけれどもその格好に凛とした姿勢と所作がバーテンダーとして板に着いていて。久々の再会に特別な泡酒を用意してくれたんだけど、泥酔客を後ろにカウンターで呑んだウィスキーが郷愁を誘った。

(平成30年8月15日/2447回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年8月10日 (金)

画鋲

優柔不断に元来の控え目な性格も手伝ってか伺い立てたものの、選挙は戦と公言憚らぬ後援会長の指示に村中に貼られたポスター。記録的な猛暑とあっては顔の血色も悪く、台風一過にヨレヨレもあったりして村の美観を損ねては...言えた義理か。

印刷代をケチった訳でも安物の両面テープでもないのだけれども貼る以上に剥すは体力の消耗著しく、どうせ数ヶ月なら二枚位は重ねてもと横着した結果、炎天下の中...やはり、サボっちゃいかんナ。それにしてもやって気付かされる支援者の心遣い。多分、剥がれかけていたんだろうけど上からガムテープや画鋲で貼り直して下さる御厚意には頭が下がる。

さて、部屋内では一応「管理職」とされているらしく稟議書が如く回覧される書類に各種申請の押印を求められることも少なくなく。よもや夏休みの旅行気分で行く訳ではあるまいなと念は押さぬまでも行政視察の承認に「渋々と」印を押した。で、居残り組に課せられた宿題の一つに議会改革検討委員会があって、目下、俎上に上がるは「議決事項の見直し」と「議案提出のあり方」について。

一般の方にはなじみ薄くも市政の重要事項については市民の代表者たるセンセイ方の了承を得ることとの規則があって、それがいわゆる議案として審議された上で採決が諮られる。身近なとこでは市道路線の認定及び廃止なんてのがあって、市内全域とあらば箇所数が箇所数だけに一括した議案として処理されるんだけれども公の施設の指定管理者の指定ともなれば時に「一括」という簡略化が判断を歪めることになりかねぬ、十に一つの疑義があってもひと括りにされては否決しづらいではないかと。

相手とて一緒にしておけば反対しづらかろうとの悪意を以て埋め込んで来ぬとも限らず...。否、そりゃ規則でそうなっとるだけで意図的にあらず、気に入らんのであればそれこそ事案括らず肚を括って否決しちゃえば、後は向こうで手立てを講ずるはずで、そこまで執拗に拘らずと思わんでもないのだけれどもこちとら座長にて余計な口出しは後の災いのもとになりかねず。

で、もう一つの「議決事項の見直し」ってのもそのものにて元々は国の法律により限定されていた議決事項以外に自治体の判断により拡大が可能に。結果、本市においても根幹をなす全体計画は議決事案とされたものの、それはあくまでも骨太の計画な訳で役人の意図は細部にこそ宿る、全体計画のみならず個別計画とて対象に含めてはどうかというのが発端。

まぁそのへんもちゃんと見越した上で設計されているから制度的には今のままでも議決事項になり得るのだけれどもそこまでの手続きに自治体間の差異があって。隣接市などは常任委員会が上げる上げぬの権限を有する一方、本市は議会運営委員会の判断とされていて。となるとぐっと上がる敷居にその間に敵方の裏工作が行われぬとも限らず。刀は抜かずとも抜きやすいに限る、実際の報告を受けるは常任委員会ゆえいっそそこで判断するってのも...。

まぁオレを軽視するなとのセンセイの鬱憤が見え隠れしないでもないけど、互いの距離感と信頼関係が薄れつつあることを物語る一幕ではないかと。

(平成30年8月10日/2446回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年8月 5日 (日)

左腕

古今問わずあれだけの大物を魅了してやまぬ深淵を覗くに達するも趣味にしてはちと金銭的な負担重いことが一因か。愛好者数の減少に反転の兆し見えずと聞くも、おかげさまで大勢の皆様に集っていただいて恒例のゴルフコンペを終えた。

善悪問わず評が立ってなんぼの世界、今年は元プロ野球の大投手が参加して下さって話題性に事欠かず。成績こそ散々なれどただでは転ばんのが政治家ってもんで「大投手含む」おらが村内の腕自慢ひしめく中、ニアピン賞をいただいた。

当日は会費制ながら賞品は支援者からの献品に負う面もある訳で、前日迄に届けるとされた約束の品が届いたのは翌週。今さら優勝者にって訳にも参らず、提供者が上等品と自負してやまぬ「箱入り」の釜揚げしらすを一人豪快に平らげた。上等品なるは目利きとツテのなせる業にて今回はそんな市場の話題。

マルシェなどとカッコつけてみてもやはり威勢のいい声こそがやっちゃばの証。中を覗けば土地の様子が窺い知れるだけに、それが旅の愉しみの一つ。かつては仕入れの目利きこそが頼りにされたもんだけど、今や生産者の情報に口コミ評判もつまびらかになっちゃう訳で、モノとて欲っせばボタン一つで届いてしまうのだから仲介の役割が薄れるのも当然で産直需要の増加に中抜きの構図はどこも同じか。

時代の趨勢にそぐわぬ、淘汰こそ大自然の摂理にて補助金を投じて存続する位ならば...と向けられる冷ややかな視線。抗うことが出来ぬ潮流に座して滅ぶを待つよりも出でて活路をと模索される起死回生の一手。差別化を図るに新たな付加価値をいかに見出すか。農業が六次産業化ならばこちらもその新鮮な食材を利用した市場メシ。

後背地には従来通りの市場機能があるものの、表通りに面した建物には飲食店ののれんがなびく。で、清潔感のある店内は関係者以外にも一般客で賑わいを見せ、それら店子の入居料は市の収入になるのだとか。民間資金を活用したPFI手法にて整備された神戸市の市場を行政視察にて訪ねた。

ひるがえって本市はどうか。外壁に大きな看板こそ掲げられているものの、入口には検問と思しき門番が立ちはだかり関係者以外は追い返されそうに見えなくもなく。いや、実際は普通に場内に誘導して下さるのだけれども一見近寄りがたい雰囲気にあるのは事実。食事処にしても市場の中央にあっておよそ関係者の為の食堂的な意味合い濃く、随分昔に整備されたものだけに、そりゃそれで否めない面もありそうだけど岐路を迎える市場。

そう、役人ってのは物事をソツなくこなすに長けていても大胆な変革となると及び腰になりがちな訳で前述の神戸市なども参考にはなったのだけれども役人の説明だけでは物足りぬ。やはりそれを生業とする卸や仲卸の言い分を聞いてみぬことには...。当日は聞きそびれてしまったもんだから「しらす」のついでにそんな論戦を挑めば沼津が元気だと教わった。

市場には国が許可する中央卸売市場と都道府県が許可する地方卸売市場ってのがあって、前者などは開設者が自治体等に限られる一方、後者には民の参入が認められていて御当地の運営はまさに地元の業者で構成される株式会社。行政に庇護を求める業者側と財政難を理由に拒む行政とあっては何とも寂しい限りだが、状況を打開するに民の発想にこそ糸口があったりもして...。

(平成30年8月5日/2445回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2018年7月30日 (月)

機敏

相手が相手だけに為す術なく、追い討ちをかける進路に被害が拡大せんことを祈るばかり。

不謹慎ながら台風は視聴率を稼ぐに最適、当時は「大袈裟に」との特命を帯びて現地に派遣されたものだと元局アナに聞いた。今は知らぬ。当初の過小見積に被害が拡大するよりも心配が過ぎて徒労に終わったほうが世間的には許される訳で、頻発される避難警報も外が大荒れとあっては道中に災難に遭わぬとも限らず、仮に体育館に辿り着いたといえども野戦病院じゃあるまいに冷暖房なくば家の方がむしろ快適だったりもして。機を見るに敏な時の内閣官房長官殿が小中学校の冷房化に言及された。

夏とは暑いものにて所詮は贅沢品位の浅はかな認識しか持ち合わせておらず、居合わせたおらがセンセイに「こう暑くてはかなわぬ。何せ昔は三十度を超えるのも稀でそんな日は父に注意を促されたもんだが、今じゃ四十度ってんだから」と聞いて、機を見るに敏な私も「必要」と相槌を打った。長官の下命に検討に入る文科省。

現行の完備率は都道府県により随分と差異あり、それもそのはず避暑地などはそもそもに不要であろうし、そのへん意識して独自の財源を投じてきた自治体にすれば今までおざなりにしてきた怠慢を棚に上げて些か虫が良すぎやしまいかとの嫉妬もありそうで問われる公平性。一方で国の補助が見込めるとなればそのへんを見越してと後手に回る懸念に霞が関の役人の打つ手やいかに。

さて、本題。世情に疎く、聞いて知る無頓着ぶりを恥じつつ、久々にお会いしたTさんに女児虐待死の話を聞いた。命名の漢字に当時の喜びようが窺い知れるだけに余計に悔やまれると。およそこの手の事件の構図は同じで再婚というか同棲のオトコが絡む男女関係が起因。他人様の子供といえども五歳ならば純粋に愛でるのが普通の大人ではないかと思うのだけれども繰り返される悲劇。男女の関係には口を挟まぬまでも子かオトコかの二者択一の選択で親を捨てるとは何事かと憤慨するTさん。覚えたてのひらがなで必死に助けを求めた娘のメモに涙して成仏を祈ったと。

そんな事件の度に行政側に向けられる矛先。何故に未然に防げなかったのか。児童相談所はどこまで状況を把握していたのか、そんな危険な状況を知りつつ放置した責任やいかに、とは必ず問われる常套句。かつては近所の通報に訪ねども玄関前で追い返されたものの、今や権限が強化されて立入可能に。されど確信犯ゆえ親などは事実を認めぬ。ならばと連れ出そうにも立ちはだかる親子の壁。

両親の虐待に軒先で泣く幼子を見るに忍びず家に連れ帰る主人公。血は繋がらずとも家族として育まれる絆。警察に届けられた捜索願に一緒の姿を目撃されて誘拐犯として...。善意が仇に変わる時。報道会見において両親が見せた安堵の表情とは裏腹にその後も繰り返される行為。確かそんなシーンで幕を閉じたと思うのだが、やはり機を見るに敏か、話題の監督の作品にそのへんの葛藤が上手く描かれており。無念の死に社会が考えさせられることは少なくない。

(平成30年7月30日/2444回)

電子書籍「一日一話」

「一日一話」表紙

| | コメント (0) | トラックバック (0)

«激甚

 
自民党
山崎なおふみは自民党の議員です
自民党ホームページへ
KAWASAKI CITY
山崎なおふみは川崎市の議員です
川崎市議会のページへ