美学
西暦で恐縮だが、2012年。173年ぶりの金環日食にメガネ片手に空を見上げる方も多かった。曇り空を見上げての感動よりも何年何月何日に何処で金環観測が出来るということを発見した人類の英知こそ感動に値するとはK先生の談。
さて、最近、女性にモテようなどと思って、違った、食に興味を抱いていて美食の国フランスの食文化の一つ、ワインについての知識を深めてみようかと合間を見つけて右往左往している。ワインといえばカッコいいが、その陰には大自然相手に格闘する農家の苦労が隠れている。
栽培から収穫、そして醸造と、そんな苦労を描いた「アンリ・ジャイエのブドウ畑」を読んだ。フランスのブルゴーニュ地方のワインの作り手の話。「万巻の書よりも、一瓶のワインの中にこそ哲学は存在する」とはパストゥールの言葉だが、今日はその哲学というか、男の美学の話。
あることがきっかけで前職時代の上司と8年ぶりの再会を果たした。「あれから10年。当時は世話になりました」とそんな会話から始まった。ちょうど10歳違いの上司だから当時は今の私と同じ年齢。私よりも少し早く転職されて、今は一人でご活躍されている。
経歴は申し分ないから既に50近しといえども何社からかオファーはありそう。聞けば、ここ10年で年俸2千8百万円の提示もあって私なら二つ返事なのだが、本人は丁重に断れらたのだという。「もう50なんだから安定した企業で定年を迎えればいいんじゃないですか」と聞けば、「オレの性にあわぬ」の一言。そこに哲学というか男の美学があった。
以前、ある席でニュースキャスターの田丸美寿々さんの講演を聞かれたのだという。その話というのはノルウェーのイワシ漁の話。イワシを漢字で書くと「鰯」、つまり弱い魚であって、生きたまま陸揚げするのは困難に近い。それを何とか出来ないかと考えたノルウェーの漁師、港にいけすを用意した。が、いけすに移した途端にイワシは元気を失ってしまう。そこで一計を講じたのだが。。。
なんと、そのいけすに淡水魚のナマズを入れたのだそうだ。ナマズは元気だからいけすの中で暴れる。そうしたらイワシまで元気になったのだという。外部からの刺激があったほうが組織が生き生きするという組織活性化の事例だったのだが、自分はそんな手伝いをしたいんだと。
組織の中で光っている人物はいる。周囲を元気に出来るそんな人物でありたいもの。よ~し明日からがんばろう。
(平成24年5月27日/1036回)
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